難易度:★★★★★★★★☆☆
満足度:★★★★☆
実戦形の問題100問(3~23手詰)と古典詰将棋を10問(5~31手詰)を収録した詰将棋問題集です。
第1章も実戦でありそうな局面を題材としていますが、第2章から第6章は有名な囲いを意識した極めて実戦的な問題図になっているのが特徴です。
私が、はじめて読んだのが約1年前で、当時将棋倶楽部24の2~3級でした。
第1章の初段問題と二段問題を解いている時は、「なんてすばらしい詰将棋の本だ!」と思いながら解いていたのですが、三段問題になると当時の私の能力では対応できない問題が続き、第2章の途中で解くをやめてしまったというエピソードがあります^^;
あれから20冊以上の詰将棋の本を読破し、初段の棋力を身につけて、この本に再びチャレンジしてみました。

この本ではレベル分けがうまく出来ていることを踏まえ、手数ではなくレベル別(段位別)に1問あたりの平均考慮時間を出した方がわかりやすいと判断して、上記の表を作成しました。
やはり初段の力になってチャレンジしてみても、第1章の三段問題と第2章の幾つかの問題は難しかったです^^;
しかしこの本で泣きたくなるほど難しい問題の全てが第2章までに含まれていました。
泣きたくなるほど難しい問題とは「第1章二段問題の問題10(9手詰)」「第1章三段問題の問題3(9手詰)」「第2章の問題3(13手詰)」「第2章の問題10(13手詰)」の4問です。
当然、それなりに難しい問題は他にもありましたが、上記の問題ほど難しいものはありませんでした。
第2章に比べると、第3章、第4章は拍子抜けするくらい簡単で見た瞬間答えが出るものが半分くらいあり、第5章、第6章も最長でも20分くらい考えれば答えが出る程度の問題しかありませんでした。
第7章はそれなりに難しい問題が幾つかありましたが、1時間考えてもわからないような問題はありませんでした。
上記の表から、私の棋力はこの本では三段に近い扱いになっていることがわかりますが、巻末の正解数による評価基準からも「実力三段」と判定して頂きました^^
将棋倶楽部24で2級なら二段、5級なら初段といったところではないでしょうか。
盲点を追及したような問題は最初の100問にはあまり出てこないので、手数の割には簡単といえるかもしれません。とはいえ、13手を超えるような問題の詰め上がり図を想像するのは私のレベルでは難しかったです。
しかしこれまで読んできたどの問題集よりも実戦的な問題図面で、解いていて楽しかったです。
第7章の古典詰将棋もとても素晴らしい問題選択で、そちらの方はパズル性を追求した問題ですが、伊藤看寿の問題があったりして、それはそれで、最高でした^^
私は実戦形の詰将棋が好きなので、この本はかなり素晴らしい本に思えましたが、先に述べたように2~3級の頃途中で読むのを挫折した経緯があることや、9手詰くらいが平均手数であることを考えると、将棋倶楽部24で初段以上の棋力がある方にお勧めしたいと思います。