新版5手詰ハンドブック(書評)

詰将棋の本

難易度:★★★★☆☆☆☆☆☆
満足度:★★★★☆

内容


5手詰め、全200題。


構成


見開き2ページに4題。ヒント無し。めくって次の見開き2ページに解答解説。


書評


2004年に日本将棋連盟より発売された5手詰集の名著「5手詰ハンドブック」を、浅川書房が大幅に加筆修正した本。

約半数の問題が差し替え又は修正されています。出題数は5手詰ばかりで200題。

各問題、盤上と駒台合わせて駒数10枚以内の実戦形で、ほとんどの玉の位置は三段目より下です。

2004年に日本将棋連盟より発売された赤い表紙の本は、5手詰めの割に難しく、将棋倶楽部24の4~5級の棋力だと苦戦する、といった話はチラホラ聞いたことがあります。私もその一人でした。

今回の「新版5手詰ハンドブック」はどうなのか、実際に解いてみた私の回答結果は次の通り。

棋力 →将棋倶楽部24の初段
項目平均時間正解率
NO1~NO4035秒97.5%%
NO41~NO8047秒100.0%
NO81~NO1201分40秒97.5%
NO121~NO1601分17秒97.5%
NO161~NO2001分41秒97.5%
TOTAL1分13秒98.0%


40問ごとに平均タイムをとりましたが、前半は易しく、徐々に難しくなっているのがよくわかります。

このあたりがこの「新版」の工夫のようで、同じ浅川書房から発売された「7手詰ハンドブック」も後ろに行くにしたがって難しくなる出題順でした。

今回は苦戦したという印象はなく、詰将棋の手筋をある程度、使えるならば、全体的には普通な難易度の5手詰め集だと思います。

前半は簡単過ぎる気もしましたが、後半はさすが看寿賞受賞作家の作品集だけあって詰みの手順が味わい深く素直におもしろかったです。

本の最後に旧版に存在した「成/不成」の非限定や最終手迂回手順をなくした旨が書かれてあったり、「協力・村田顕弘」と書かれてあるのを見て、詰将棋作家としてのプライドとこの本に対する熱意が伝わってきました。

将棋初段を目指している人は持っていて損のない一冊です。
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