われ敗れたり(書評)

読み物

阪田大吉の満足度:80%


「第1回将棋電王戦 米長邦雄永世棋聖 VS 将棋ソフトボンクラーズ」について米長邦雄永世棋聖の自叙伝を中心に書かれた本。

第5章が公開対局直後の記者会見全文、第8章がプロ棋士と将棋ソフト関係者による客観的な見解、それ以外が米長永世棋聖の対ボンクラーズ戦における自叙伝という構成。

随所随所に米長節が炸裂しており、ニヤッとさせられる部分が多かったです。

本の中で最も熱く語られていたのは後手番初手△6二玉で、その手に命を削っていたことは重々承知しました。

第2回将棋電王戦でその手を継承する棋士が居るのかどうか、そのあたりは注目したいところです。

個人的には第7章「自戦解説」と第8章「棋士、そして将棋ソフト開発者の感想」が満足度100%で、そこは「プロ棋士VS将棋ソフト」という企画に興味がある方ならば満足する確率が高いでしょう。

ただ、ボンクラーズの開発者である伊藤さんの見解と、電王戦3週間前に急遽行われたプレマッチの謎については全く触れられておらず私の中では減点ポイントです。後者は勝負の世界のことなので全てをオープンにできない事情があるとしても、前者がないのは公平性を欠いてる感じが否めません。

それでも「第1回将棋電王戦」を見た人やその話に興味がある人にはおすすめの一冊であることはまちがいないです。

プロ棋士を束ねる日本将棋連盟の会長が何を考えて将棋ソフトの挑戦を受け、そして元名人がどのようにしてその強敵に勝とうとしたのか、そう考えながら読むと実に味わい深い一冊でした。


<各章の感想>

われ敗れたり(第1章)の感想

われ敗れたり(第2章)の感想

われ敗れたり(第3章)の感想

われ敗れたり(第4章)の感想

われ敗れたり(第5章)の感想

われ敗れたり(第6章)の感想

われ敗れたり(第7章)の感想

われ敗れたり(第8章)の感想




<目 次>
第1章 人間を凌駕しようとするコンピュータ将棋ソフト
第2章 △6二玉への道
第3章 決戦に向けて
第4章 1月14日、千駄ヶ谷の戦い
第5章 記者会見全文
第6章 コンピュータ対人間、新しい時代の幕開け
第7章 自戦解説
第8章 棋士、そして将棋ソフト開発者の感想
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