第2回電王戦のすべて 第1局の感想

余談

阿部四段の自戦記はかなりおもしろかったです。あの時の興奮が甦りました!

図面はたくさんありますが、棋譜を並べながら読む方が内容をすんなり理解できて格段におもしろいです。(※検討モードにした激指の盤上に並べるのがおすすめ)

習甦の△6五桂を引き出すための試行錯誤、それに連動していた序盤の端歩の突き越し。習甦の弱点や指し手の傾向を知るための惜しみない莫大な時間の投資。

そして本番での習甦とのかけ引き。そこにはさすがプロ棋士と思わせる過程がありました。

時々、第1局についてハメ手順を再現しただけ、といった旨の記事やコメントを見ます。

阿部四段の自戦記を読めばわかりますが、そんな単純なものではありません。

昔の将棋ソフトではないのだから、最近の最強将棋ソフトは同じ手順を再現してくれません。将棋は少しでも駒の配置が違うと形勢が全く違うこともよくあることです。

それを形勢を損ねないように似たような形に誘導していくその技量がすごいのです。そして、△6五桂と序盤の端歩突きが連動しているその構想もすごい。

阿部四段も△6五桂と跳ねさせたのを「ハメ手」と評されることには快く思っていないようです。

確かに習甦が△6五桂と跳ねた局面から先手を持って、激指12やBONANZA6.0を相手に勝てる人がどれだけ居るのか。ほとんど居ないでしょうね(^^)。

阿部四段のコンピュータ将棋を攻略していく過程とそこにある考え方は、コンピュータ将棋が好きな私にとってはこの上なくおもしろかったし、あまり口にしなかっただけで凄まじい努力があったことも理解できました。満足です。

阿部四段の自戦記を読むと、阿部四段ならばGPS将棋が相手でも勝つ確率は習甦の時と変わらなかったように思えました。

それは実際に電王戦で勝ち星を挙げたから言うのではなく、書かれている攻略過程に将棋ソフト対策のセンスを感じました。

※将棋ソフト攻略は棋力のみならず、TVゲーム攻略の感覚も必要なのが私の持論。


ところで夢枕獏さんの観戦記はいったい・・。

第2回電王戦第1局については最後の方に申し訳程度にちょろっと書かれているだけで、御自身の代表作「キマイラ」のことや電王戦とは全く関係の無い御自身のことばかりが書かれていたのですが・・。


「コンピュータ将棋の歴史を語る」と題された柿木将棋の柿木さんと東大将棋の棚瀬さんの対話はコンピュータ将棋が好きな私にはとっては、これもまた得がたい満足のいく内容。

棚瀬さんが言うように、電王戦はプロ棋士が圧勝できる時期からやるべきでしたね。

まあ、今さら言っても仕方がないので、それよりももっと良い展開になることを期待します。


次は第2局を読んだらまた感想を書きます。

どんなことが書かれているのかまだ読んでないのでわかりませんが、第2局を思い出しただけで、胸が熱くなってきました。

第2回電王戦のすべて実物写真
本の大きさはマイナビの定跡書サイズ
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