第2回電王戦のすべて 第5局の感想

余談

「第2回電王戦のすべて」の第5局を読みました。

三浦九段の文章構成はおもしろいですね。

節ごとに前半は電王戦を引き受けた経緯や練習内容、後半に第5局の自戦記が書かれています。

観戦記の内容から察するに、他の4人の棋士に比べると随分準備不足だったことが読み取れました。

対局後の記者会見での話し振りなどからそんな気はしていました。

第5局の内容や対局直後の記者会見を観た時に、こういう展開なら勝ちやすいという準備をしていたようには見えなかったからです。

電王戦開幕3週間前まで名人戦出場の可能性があったのだから仕方がありません。

しかも三浦九段はコンピュータ将棋について全く知らなかったようで、そんな三浦九段の出場を連盟が何故許可したのかはとても不思議でした。

(我々と違って連盟はプロ棋士とコンピュータ将棋との距離感を熟知しているはず)

少し気になった点は、FloodGateで対局したことが書かれてありましたが、あそこで稼動しているソフトの目的のひとつは機械学習のための資料集めだったような・・。

三浦九段が練習の時と本番ではGPS将棋が違う手を選んだというのは、ひょっとしてそれが関係あるのではと思ってしまったのですが、勘繰り過ぎでしょうか?

さて、A級棋士が書くコンピュータ将棋との自戦記は格別でした。なんと言いますか将棋に対する説得力が違います。文章からもとても良い人柄がにじみ出ています。

こんなにいい人が、第5局の敗者として記者会見の場に居ることはふさわしくありませんでした。

三浦九段は将棋に対して余りにも嘘をつけないタイプなので、コンピュータ将棋攻略に向いていたかどうか、疑問は否めません。


ところでGPSチームの方々はその50の質問などからも素晴らしい方々だと思いました。

第2回電王戦の時のGPSチームのPVを見た時に本格的な科学者が出てきた感じでしたが、50の質問の回答を読み、より一層彼らが最高学府の人達であったことを理解しました。

彼らの回答は知的で驕りが感じられません。真の科学者でリスペクトに値します。

三浦九段を倒したコンピュータがGPSチームの作ったプログラムであったことは、将棋ファンの私にとってせめてもの救いでした。


次に夢枕獏さんの観戦記は相変わらずでしたが、最後は上手くまとめていました。

ジュウメイ(小池重明)さんの強さへの信頼の程は笑いが出るほどおもしろかったのですが、ジュウメイさんよりもみうみう九段の方が遥かに強いと思いますけどね(^^)。人それぞれなのでしょう。

第2回電王戦の観戦記としては内容の半分くらいに違和感がありましたが、第1局の時とは違い将棋の話が主ですし、読む人を楽しくさせる文章だとも思いました。
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