女流名人倉敷藤花里見香奈 好きな道なら楽しく歩け(書評)

読み物

対象:将棋に興味がある全ての人(特に里見香奈ファン)
阪田大吉の満足度:90%


羽生善治「里見香奈は、天然で天才だ!!」 - 本書の帯より
この本は、里見香奈女流名人倉敷藤花の魅力を可能な限り、一冊の本にまとめたといっても過言ではないフォト&エッセイ集です。

里見香奈さんって何者だ?という人のために、略歴を書いておきます。

2002年 アマ女王戦で優勝。(当時小学5年生)
2003年 第28回小学生将棋名人戦でベスト8、女流育成会入り(森けい二 九段門下)
2004年 育成会員総当り戦二期連続1位で女流棋士となる(当時中学1年生、史上4番目の年少記録)
2007年 レディースオープントーナメント2006で準優勝(優勝したら史上最年少優勝だった)
2008年 第16期倉敷藤花戦で初のタイトル奪取。(当時高校2年生)
2009年 第17期倉敷藤花戦でタイトル防衛。
2010年 第36期女流名人位戦五番勝負でストレート勝ち。(高校卒業直前の出来事だった)

つまり、女流棋界待望の天才少女だったわけです。その強さは本物で、公式戦で男性棋士に何回も勝っています。今最も注目されている女流棋士なのです。抜きん出た終盤力と出身地から「出雲のイナズマ」と呼ばれています。

さて、この本は「将棋世界」と同じくらいのサイズ(面積)なのですが、その中身の半分が里見香奈女流名人のカラー写真で構成されています。他の半分が里見香奈女流名人のエッセイなどの活字で、前半は「将棋への思い」が書き綴られています。エッセイのタイトルが直筆(印字)になっていたりと、読む側を楽しませてくれる仕上がりになっているのがとても良いです。

「私の将棋を支える大切な存在」と題して、家族の一人一人が紹介されているのですが、その背景画像は里見香奈女流名人が幼少時代に書いたと思われる絵(本人のものだとブログに書かれてあった)が所狭しと張り巡らされており、かなり癒されました^^

そして、本の後半には第36期女流名人位戦五番勝負には里見香奈女流名人の当時の心境が、第一局、第二局、第三局に分けて比較的長文が書き綴られています。タイトル戦について里見香奈女流名人が書いたものは、これまで少なかったので、購入してよかったと思った要因のひとつです。

また、第36期女流名人位戦五番勝負の行われた3局すべての解説も掲載されています。内容は自戦記というよりも、師匠である森けい二 九段が要所となる局面について質問し、それに里見香奈女流名人が答えるという形式です。局面図がゴム印で押したもので作られており(当然、印刷)、見る人を楽しませるための芸が細かいです。それから、詳しい読みが披露されているというわけではなく、解説は簡素なのですが、これまで本人の解説は珍しかったため、充分楽しむことができました。

まとめますと、この本はページ数の半分が写真で構成され、前半は将棋への思いや家族をはじめとする周りの方々の紹介、後半は第36期女流名人位戦五番勝負、が里見香奈女流名人の言葉で書かれており、ファンならば納得の出来だと思います。88~89ページの女流名人戦の清水市代女流名人(当時)と盤をは挟んでいる写真はとてもカッコいいです。(トレードマークの青いタオルも写っている)

里見香奈女流名人のファンならば、迷わず買いです。構えることなく軽い気持ちで読めます。将棋が持つ「おじさん的イメージ」とは程遠い将棋関係の本です。難しいことは書かれていません。だから、良いのです。

なお、満足度につきましては、里見香奈女流名人のファンであるか否かにより、大きく変わることをご了承ください。

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<目 次>
将棋と出会った私
里見家恒例・家庭内将棋大会
私の将棋を支える大切な存在
好きな道なら楽しく歩け
夢から目標へ昇華したプロ棋士への道
中1で晴れて女流プロ
倉敷藤花に初チャレンジ
私の愛すべき学校の先生や友だち
ユニバーサル杯第36期女流名人位戦
里見香奈さんをもっと知りたい!50のQ&A
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