ルポ 電王戦(書評)

読み物

対象棋力:コンピュータ将棋対人間に興味がある人

阪田の満足度:65%


1967年の詰将棋解読コンピュータHITAC5020Fから始まる
コンピュータ対人間の歴史を振り返り、第3回電王戦、
そしてその数週間後に行われた2014年世界コンピュータ
将棋選手権までが記されています。

Bonanzaが現れる2005年くらいから内容がより詳しくなる、
そんな感じでした。


私の率直な感想は本のタイトルとその内容にズレを感じました。


内容は電王戦というよりも、人間vsコンピュータ将棋の
歴史的過程の一つに電王戦もあるという感じです。
(電王戦の記述は全体の5分の2くらい)


私は本のタイトルに「電王戦」「真実」という言葉が
入っているので、その内容には電王戦に関する新事実を
期待しました。

例えば本書に書かれてある
「Bonanza2の頃にはプロ棋士が10秒将棋でしばしば負けていた」
旨の話やコンピュータ将棋会会長の第3回電王戦に対する
率直な意見などそういう類の裏話を期待したのですが
そういうのは少なかったです。

綺麗な文章の節々に関係者に対する慎重な配慮が伺え、
自重した部分もあったのだろうと推測しました。


山本一成氏の恋愛事情については「そこまで書くか!」
というくらい書かれてあり、笑わせて頂きました。

また、この本を読み著者の松本氏が山本氏とは仲が良い
こととBonanzaを好きなことはよくわかりました。


ところで、将棋の局面を言葉で説明しているのですが、
局面図を使えばわかりやすいのに使わなかったのは何故
だろうとも思いました。


もし、この本を読む人が電王戦の情報をこれまであまり
調べてなくて、人間vsコンピュータ将棋に興味がある人
ならば、得られる情報は多いでしょう。

逆に散々調べた人にとっては、新しい情報はそれほど
多くないかもしれません。

以上の点から満足度は65%とさせて頂きました。


<出版社サイトより>

なぜプロ棋士は敗れたのか?

将棋のプロ棋士がコンピュータに敗れる。つい十数年前まで、そんな話は絵空事にすぎなかった。しかし、いま――。日本中を熱狂の渦に巻き込んだ電王戦の裏には、どんなドラマが潜んでいたのか。開発者や棋士たちの素顔を描きながら、戦いの全貌を伝える迫真のルポルタージュ。将棋とは? 知性とは? 人間とは? 「21世紀の文学」とも評された決戦の記録。


ルポ 電王戦 目次(amazon)
関連記事
記事タイトルとURLをコピーする
コメント
コメント投稿

トラックバック