爽快!5手詰トレーニング(書評)

詰将棋の本

難易度:★★★★★★☆☆☆☆
満足度:★★★☆☆

内容


週刊将棋(平成17年6月1日号~平成21年7月29日号)に掲載された「詰将棋入門」から厳選。5手詰め全200題。


構成


1ページ1題。問題図下にヒント有。めくって次のページに解答解説。


書評


玉の位置が何段目にあるかで、「第1章」「第2章」・・とまとめられているのが、今までの詰将棋集であまり見なかった特徴。

問題図は大別すると実戦形ですが、詰将棋をあまり知らない人が想像するような、桂馬や香車が初期位置に近いところにあるような実戦形ではなく、敵陣に駒が集まっているだけのタイプ。

問題図は変化同手数を含む早詰みや駒余りなどの「変化」が多く、且つ「捨て駒」「退路封鎖」「邪魔駒消去」などの詰め手筋を駆使しなければ詰ますことができない良問揃い。

そして解説欄には「変化」と「紛れ」の筋が詳細にびっしり書かれています。

誰が創ったのかはわかりませんが、「こんな問題をよく作れるな」と感心したくなるほど素晴らしい問題が並んでいます。

私が1題に要した平均時間と正解率を章ごとにまとめてみました。

棋力→将棋倶楽部24の二段
項目問題数平均時間正解率
第1章24題2分20秒91.7%
第2章50題4分29秒96.0%
第3章56題2分34秒95.7%
第4章50題2分54秒92.0%
第5章20題4分06秒100.0%
TOTAL200題3分15秒95.0%


新版5手詰ハンドブックを解いた時は、1題平均1分13秒(正解率98.0%)でしたので、この本が同じ5手詰集でも随分難しいことがわかります。

本の帯に「5級~初段向け」と書かれてありますが、将棋倶楽部24の4~5級では余程詰将棋が得意でなければ、解き進めるのが辛くなる難度でしょう。

また、序章に「5手詰にチャレンジ」として詰め手筋が紹介されているのですが、この本はそれらをこれから覚えるような人が解く問題集ではありません。

3手詰めを卒業した人が次のステップとして読む本だと思って取り掛かると失敗します。私も最初はそういう本だと予想し手早く読み終えるつもりでしたが、序章や帯に書かれている内容とこの本の難度には随分なミスマッチがあると思いました。したがって、満足度は星3つとさせて頂きました。

最初からある程度難しい5手詰め集であることを踏まえて読めば、この本は詰将棋を好きな人ならば、きっと良書に思える一冊となるでしょう。(難しいと言っても5手詰めパラダイスほどではありません)

私の中で最も素晴らしい良問に思えたのは第144問です。他に、第73問は正解を見つけにくい難問でした。


目次


序章 5手詰にチャレンジ
第1章 一段玉に挑戦
第2章 二段玉に挑戦
第3章 三段玉に挑戦
第4章 四段玉に挑戦
第5章 五、六、七段玉に挑戦
関連記事
記事タイトルとURLをコピーする

コメント
コメント投稿

トラックバック