対象棋力:将棋倶楽部24の2級~
阪田の満足度:★★★★★


タイトルやブックカバーに書かれてある文言からは、飛車角がピュンピュン飛び交い、滅多なことでは決まらないような大技が解説されてあるように想像してしまうのですが、実際は実戦でありそうな局面での駒のさばきや、返し技などを考える問題集です。

本の構成は美濃崩し180と似ていて、問題図の横にイラストによるヒントがあり、1ページ2題で次のページに解答解説の全150題。

第1章は「飛車の大技テクニック」と題して、振り飛車対抗形の飛車が向かい合った局面を中心に、駒を如何にしてさばくかを考える問題が100題。

第2章は「角の大技テクニック」と題して、相居飛車形の局面を中心に、角を上手く打ち込むための手順を見つける問題が50題。

150題全てが40枚の駒を使った問題図で、定跡形を含む実戦でありそうな形ばかりです。

第1章は駒をさばくための、第2章は手作りを考える、とても良い練習になりました。

問題図は全て、序・中盤を扱っているのですが、そういう問題集でこれほど質の高い問題集を私は他に知りません。この本は素晴らしい良書だと思います。


ところで、正解と激指14の最善手が一致しないものが150題中35題ありました。

これが終盤の問題集ならばかなりのマイナスポイントなのですが、序盤は高段者の方が正しい場合が多々有り、一致しない多くは正解を激指に入力し指し手を進めると激指がそれを最善と認め出すなど、機械からは学べない手順を教わることができる大きなプラスポイントだったりします。

細かいところを突くと、解答に後手の鬼手を見落としているもの(第1章第47問)や、手順前後でも正解になるもの、定跡局面の問題図でその後定跡が変わったと思われるものもありましたが、それを補うには余りある質の高い問題集です。

むしろ、将棋ソフトでチェックできない時代に、これほど完成度の高い問題集を作ることができたことに驚きです。


序盤でありそうな局面も多く、私も対処法を知りたいと思っていた局面も出題されていたりして、とにかく解き進めるのが楽しい問題集でした。

金子タカシ氏の著書の中では一番影が薄い印象がありますが、この本の対象棋力がその著書の中で最も高いことに起因しているのかもしれません。

最初の方の問題は比較的簡単なのですが、第15問あたりから有段向けの難しい問題が並びます。私もこの本を10年以上前に買っていて、将棋倶楽部24の1~2級の頃にチャレンジしたのですが、第30問あたりに栞を挟めたまま本棚で眠っていました。

解答図は激指の評価値で±200前後の互角と判定する局面が多く、解答解説を読んで納得するためには、それなりの棋力が必要なのです。

金子タカシ氏は本当に将棋の問題集を作るのが上手いですね。この本もまた、他の著書に優るとも劣らない素晴らしい本です。

私もこれまでに序・中盤を扱った、それなりの難度の問題集を欲しいと思っていたのですが、この本がまさにその一冊でした。買っておいて、本当に良かったです。

最後に私(将棋倶楽部24の二段)と激指14七段+の回答結果を示しておきます。

華麗なる将棋大技テクニック 回答結果
※第1章第47問は正解手順の直後に△5五銀の返し技
※私が不正解となった第1章の第13問、第38問、第65問は手順前後でも多分正解
関連記事
カテゴリ
タグ