
私よりも強い人が一杯見てる場所で、「将棋に強くなる方法」とか言っても笑うしかないのですが、さっき将棋クエスト(10分)を見たら、私よりも上の棋力の対局者数は452人中たったの7人。(←普通に考えると結構強くないっすか?笑)
そういうわけで、本屋で売っている、超強い人達が書いたものとは別の、普通の人の視点から書いた将棋に強くなる方法も有りではないかと思いました。
私の棋力は将棋倶楽部24の二段(←30秒:15分は多分もっと行ける)、将棋クエスト三段(←10分:5分と2分は通信環境の問題で少し下がる)です。
私がこれまで、将棋に強くなったことを実感できた方法の中でも、特に優れていた方法を5つ紹介します。私がその方法で棋力向上を実感できた時期も、参考になるかもしれないので書いておきました。
目次
その1「棒銀を覚えるべし!」
棋力向上実感時期:初心者の頃
将棋というのは勝たないことには、おもしろさを理解できません。
しかし、簡単に勝てるようになる方法なんて、あるのでしょうか?
なんと、あるのです!!
と言っても、初心者限定です。
「棒銀」を覚えてください。
ドラクエ2で例えるとプレイ開始早々、稲妻の剣を装備したのと同じくらい破壊力があります。
おっと、「棒銀」を覚えようと気合が入りすぎて、いきなりプロの定跡書みたいなのを買ってくるのはNGです。
どんな知識もマスターするためには順序というものがあります。足し算を出来ない人が掛け算をできないように。
初心者がいきなり専門的な本を読んでも、書いていることを全く理解できず、おもしろくもなんともないので、嫌気がさして将棋をやめてしまいかねません。
棒銀にはプロでも使える本格的な棒銀と、初心者をパワーアップさせる「原始棒銀」の2タイプがあります。初心者が覚えるべきは後者の方です。
初心者用の棒銀は多くの入門書に載ってますので、それで充分です。
飛車先の歩の交換、銀の前進いけいけどんどん!、もう楽しいのなんのって。
私は小学生の頃に原始棒銀を覚えて、将棋で勝つ喜びを覚え、あっというまにクラス一番の将棋天狗になり、将棋を好きになりました。全部本当にあった話です。
なお、原始棒銀を覚える際は、その受け方も書いている本を選んでください。(原始棒銀が解説されていると、大抵、受け方も説明されているとは思う)
将棋天狗同士の対決になると、先手を取った方の棒銀が先に炸裂するので、受け方を知らないと先後を決めるジャンケンに負けた時点で、将棋の負けもほぼ確定してしまいます。
しかし、受け方を知っていれば、相手に一泡吹かすことができます。
なにはともあれ、初心者が簡単に勝てるようになる方法は、棒銀を覚えることが一番手っ取り早いと思います。
そして繰り返しますが、その知識は入門書レベルで充分です。それ以上のことを覚えても、初心者同士の対局ではそんな難しい局面は出てきません。
ハム将棋のサイトは閉鎖されましたが、「つぼしょうぎ」というサイトもありまして、そちらも原始棒銀で優位になることが出来るので、練習になるかもです。(2020年4月20日追記)
下手の棒銀、上手が困る ←全将棋ファン納得の有名な言葉。

その2「実戦をやりまくるべし!」
棋力向上実感時期:初心者の頃~現在
少なくとも初段レベルくらいまでは、棋力向上という意味では、実戦以上の練習方法はほとんどないと思います。
自分がどうやったら勝つのか、自分がどうやったら負けるのかは、実戦をやらないことには見えてきません。
最近、新しい戦法を覚えようとしてわかったのですが、とにかく指しまくらないことには、相手がどうやったら困るのか、自分がどうされると困るのかを理解できず、それを繰り返さないと、勝ってるのか負けてるのかを判断する大局観も養うことはできません。
実戦は強くなるための、基本中の基本なのです。
それで、どういう相手と対局するのが強くなるのに効率が良いのか。
よく、将棋の本に「自分より少し強い相手と戦うこと」が、上達の秘訣のように書かれています。
負けてばっかりの趣味の時間。それ、おもしろい状況だと思いますか?
いつでも好きな時に勝つことができるから、そんなことを言う余裕があるわけでありまして・・。
確かに強い人がさらに上を目指す時は、自分よりも少し強い相手と対局するのが有効な気はします。
しかし、強くない人の多くには、たぶんあてはまらない。(負けて楽しくないから)
ズバリ、同じ棋力の相手が、最も理想の対局相手だと思います。
勝ったり負けたりの五分の相手が、自分の力を最もフルに引き出してくれるでしょう。
プロだって、それを基本に切磋琢磨しています。(例えば順位戦)
あいつにだけは絶対に負けたくない、というライバルが居ると上達するという話も聞いたことがあります。
ライバルというのは、互角の力を持つ人のことで、自分よりも明らかに強い人のことをライバルとは言いません。
なんにしても、自分と互角の相手と勝負することが最もおもしろいことは、流行っている対局サイトが示しているところです。
将棋倶楽部24が流行った最もな理由の一つは、互角の相手との対局が実現しやすいことです。やればわかりますが、挑戦してくる相手は自分よりもレートが50点くらい下の相手ばっかりです。(50点差はほとんど互角で、下の方がレート変動時に2点得するという事情がある)
余談ですが、将棋の強い人が「自分よりも強い相手と指したい」とカッコいいことを言うのを時々聞きますが、数局程度なら本当にそうなのかもしれませんが、彼らも強過ぎる相手とばかりは指し続けたくはないのです。
2011年末、将棋倶楽部24にbonkras(ボンクラーズ)が登場した時、最初は超強い人達がこぞってチャレンジしていました。
しかし、勝てないことがわかると、3000点台の最高峰は誰も挑戦しなくなりました。超強い人も、初心者も、勝てない相手とは指したくない、その気持ちは同じなのです。
あと、少し強くなった時、自分よりも弱い相手とばかり指す人も居ますが、上達はしないです。無理攻めするようになったり、読みに真剣さがなくなったり、とにかく上達はしないです。また、自分の方から明らかな格下に挑戦しまくるのは、恰好良いものではなかったりします。

さて、自分と同棋力の相手はどこに行けば見つかるのか。インターネット対局サイトにゴロゴロ居ます。そして、ほとんどの対局サイトが無料で遊べます。
私は将棋倶楽部24で同棋力の人たちに揉まれ、10級から二段まで上達しました。これも本当の話です。
ただ、将棋倶楽部24はレベルが高いので、自分を級位だと思っている方は、将棋クエスト(URL:http://wars.fm/ja)の方が楽しめると思います。(追記:と言いますか、将棋倶楽部24は初心者・初級者の方は楽しめません)
どちらも滅茶苦茶おもしろいので、やり過ぎに注意して下さい。
その3「得意戦法を身に付けるべし!」
棋力向上実感時期:将棋倶楽部24の6級~現在
これは有名な将棋上達法のひとつで、私も中飛車で将棋倶楽部24の二段に到達しました。
その理屈についてはあまり見たことがないのですが、最近になって、ようやくその理由が私の中でも解明されました(笑)
一つの戦法に固執すると、自分がどうやったら勝ちパターンになり、どうやったら負けパターンになるのかがわかってきます。
そして、戦法というのは序盤ばかりでなく、中盤・終盤もその戦型独自の大局観があったりします。(←ここ盲点)
普通の人は大抵、負けパターンがわかれば、どうやったらそうならないのかを考えます。それを改善していく地道な努力が棋力向上だったりするわけです。
しかし、あの戦法も、この戦法もとやってると、同じ負けパターンを体験する機会が少なくなり、改善が実現しにくいと考えられます。
つまり、一つの戦法に固執していると改善できるチャンスが倍増し、勝っているのか負けているのかを判断する中終盤の大局観も自然と養われて行き、その戦法における棋力向上も実現しやすいのだろうと思います。
初めて見る局面では、プロでさえ困惑するのは、最近の電王戦を見れば明らかでしょう。
まとめると、同じ戦法ばかりをやってれば、その戦法における序盤戦術や仕掛け、大局観がどんどん上達するため、それに伴いどんどん勝てるようになり、おもしろくなってさらに上を目指そうと、好循環で棋力が向上するのだろうと思います。
アマで振り飛車が流行る理由のヒントがあるのかもしれません。
なお、戦法を選ぶ際は、自分が好きなのをやるのが一番ですが、私の経験上、プロの研究成果がたくさん出ている戦法ほど、壁を乗り越えやすいです。
振り飛車なら、中飛車と四間飛車がプロの長年の研究成果がたくさんの本に書かれているので、有利だと思います。(定跡が最も整備されているのは居飛車。但し手広い。)
結局、奇襲戦法が駄目なのは、打開できない局面があったり、それがなくともプロの研究成果が皆無なため、アマ一人で打開していくのは、ただごとの作業ではないからだと思います。
道のないところを切り開き山頂を目指すのと(途中で行き止まりになるかもしれない)、先人達が切り開いた綺麗な道を歩いて山頂を目指すのと、どちらが楽なのか、それと似てるかもしれません。
級位の頃は、相手も道を切り開いていて登っている人なので、そのことに気付かないかもしれませんが、有段になると、そういうことがわかるようになってきました。(強い人たちが発明した駒組みや仕掛けに悩まされています・笑)
話が横道に逸れ過ぎましたが、とにかく得意戦法を持つことは、棋力向上という意味において、かなり有効であることは確かです。
私も中飛車で、将棋倶楽部24の初段、二段を突破しました。
鈴木大介の将棋 中飛車編 単行本(ソフトカバー) – 2008/10/23
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その4「詰将棋を解きまくるべし!」
棋力向上実感時期:将棋倶楽部24の3級~現在
まあ、実戦ばかりをやって、将棋倶楽部24の最高2級になれることは、私も経験上知ってます。全く解かなかったわけではないのですが、7手詰め以上はほとんど解いたことがなかったです。
しかし、7手詰めもろくに解けない者が、将棋倶楽部24の初段になろうなんて、企画に無理がありました(笑)今思うと、本当に無謀です。
私のブログを初期の頃から読んでくれている人ならば、みんな知っていると思いますが、私の棋力を将棋倶楽部24の3級から初段へ押し上げる大原動力となったのが、詰将棋を解きまくったことなのです。
詰将棋の効果は終盤力の強化のみにとどまらず、正確な読みが鍛えられるので中盤でもとても効果を発揮します。
また、寄せの問題集や必至問題集をたくさん解くことも将棋が強くなる有効な手段なのですが、それを解くには7手詰め・9手詰めを読めないことには、読みの裏付けのもとに正解を導き出すことができません。
寄せの問題や必至問題は、変化を全て読みきってこそ正解です。有名な「寄せの手筋200」も、実は9手詰めくらいを出来ないことには、それを読んでも効果は半減します。
それで、詰将棋というと、将棋ファンでも敬遠する人は少なくありません。
私がそのタイプだったので、それが何故なのかを知ってます。
早い話が、いきなり難しい問題を解くからです。
「解けない」→「やりたくない」→「解けない」を繰り返しているので、詰将棋を嫌いなタイプになってしまってます。
ですから、それを克服するには「解けた」→「おもしろい」→「解けた」を繰り返す、易しい問題から手を付けるのが良いでしょう。
私は将棋倶楽部24の3級で停滞していた頃、本屋で偶然、飯野健二七段の「3・5・7手実戦型詰将棋」という本に出会いました。
その本は手数の割りにやさしく、それでいて手順に詰ますためのテクニックが入っているので、解いた直後に満足感があり、とてもおもしろかったのを覚えています。
人生で初めて、なんとか一冊の詰将棋問題集を解きあげると、次の問題集にチャレンジしたくなり、浦野八段の3手詰めハンドブック2を読みました。
それが、またまた大正解!当時の私でもスラスラ解けるので、「よし、次の問題集にチャレンジだ!」と、詰将棋に対する興味が加速しました。
易しい問題を解きまくるのが、詰将棋にのめり込むコツのようです。
3番目に出会ったのが、ラクラク詰将棋。
3~7手詰めの問題集で、タイトルも「ラクラク」なので、「へっ、私の詰将棋力を受けてみよっ!」とやってみたところ、これが結構難しい問題が並んでいて、問題図とにらめっこ状態の連発。
頭がクラクラして、ヘタレになり、再び詰将棋嫌いになりかけました。
今読めば、非常におもしろい問題が並んでいるのですが、当時の私の詰将棋力では苦戦の連発でした。
こういう風に、詰将棋の難度は手数ではありません。そこは注意が必要です。そうは言っても、手数とタイトルで判断できないのであれば、どうやって難度の判断を?と思うかもしれません。
私が読んだ問題集の難度はこのブログで知ることが出来ます。サイドバーカテゴリにある「詰将棋本(レビュー)」または、ブログ上の方に「詰将棋本」というタブがありますので、そこからご覧ください。
詰将棋は棋力向上に抜群の効果を発揮しますが、詰将棋に対してアレルギーが有る方は、必ず自分の詰将棋力にマッチしたものを選んでください。自分にとって難しいものを解こうとすると、嫌いになってしまいます。
9手詰めや11手詰めが苦にならないどころか、喜んで解きたいと思うようになった時、将棋倶楽部24の初段も近いと思います。
やっぱり将棋は、終盤に強い方が勝ちやすく、また終盤に自信があると序盤で少々悪くなっても、最後まで期待が持てる、そんな気がします。
その5「激指を活用するべし!」
棋力向上実感時期:将棋倶楽部24の初段~現在
コンピュータ将棋というと、対戦相手になってくれるものと考えている人も少なくないようですが、激指を気に入っている人の大半は対戦相手ではなく、研究用の道具にしているはずです。
ところで、将棋の上達法として対局後の感想戦を挙げる人も結構居ます。
自分の指し手のどこが良くなかったのかを知ることは、棋力向上という意味では有意義だと思います。
しかし、ネット上で感想戦をやることは、常にトラブルと隣り合わせだったりします。
負けた相手は気が立っていることが頻繁ですし、勝った相手は必要以上に小馬鹿にしようと構えているいわゆる厨房も結構居ます。(私がネット上で初めて感想戦になった相手がそれだった)
その上、同じくらいの棋力の相手だと、有意義な情報はゼロ、それが普通です。
棋力向上のためにやっているのか、トラブル回避の訓練のためにやっているのか、相手が同棋力以下だと、後者の意味合いしかないかもしれません。まあ確かに、相手がこちらよりも遥かに強いと、ヒントをもらったことが何度かあったのも事実です。
しかし、こちらよりも遥かに強く、しかも親切な人と感想戦をやるチャンスなんて、滅多にありません。あるのは大抵、トラブル回避の訓練だと思います。
確かに自分の棋譜の中で、相手玉や自玉に詰みがあったのか、もっと良い手があったのかを知ることは有意義ではあります。特に序盤を改善できれば最高です。
しかし、それを即座に指摘できるのは、自分よりも遥かに強い人です。
それをいつでも好きな時に、気が済むまで全部教えてくれるのが激指なのです。

激指も数年前まではその序盤に信用できないところがあったのですが、今の激指の序盤はプロでも隙を突けないほど恐ろしい代物になっています。
定跡手順も教えてくれるし、激指のオリジナルな一手も教えてくれます。
喧嘩のリスクはもちろんゼロですし、教える一手は最強ですし、悪いところがありません。24時間張り付いてくれる将棋の家庭教師が居るようなものなのです。
私が激指を使い始めた頃は、将棋倶楽部24で10級か8級か、そのくらいの棋力だったと思います。
当時は、自分の棋譜を解析させて、出来上がったそのジグザグのグラフを見るのが、妙におもしろかった記憶があります。
激指を有効に活用できるようになったのは、将棋倶楽部24で初段くらいの棋力になってからだったと思います。激指は強過ぎるので、その価値を本当に理解するには、そのくらいの棋力が必要なのかもしれません。
私の場合はどちらにしても、激指を持っておくこと自体が楽しいので、将棋に接する時間も必然的に長くなり、それが棋力向上に繋がったと思っています。
私が将棋倶楽部24の初段から二段になる過程で、序盤改善の際に重宝したのが激指でした。これも本当の話です。
■PC版「激指」最新版
マイナビ 将棋レボリューション 激指15
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どうでしたか?
上記は私が勝手に思っていることであって、将棋の上達法は様々です。
過去にアンケートを実施して、たくさんの親切な方が上達法を教えてくれていますので、最後にそちらも紹介しておきます。
<関連アンケート>
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みなさんに、楽しい将棋の時間があると幸いです。
※2017年3月16日追記
将棋に強くなる方法 パート2 ← この記事の続編です。併せてお読み下さい。
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