康光流 超実戦の詰将棋 初段(書評)

詰将棋の本

難易度:★★★★★★★★☆☆
満足度:★★★★☆

内容


「週刊ゴルフダイジェスト」に連載された佐藤九段の詰将棋問題の中から、5~13手詰めを150題収録。


構成


1ページ1題。手数表示とヒント有。めくって次のページに解答解説。

第1章が1段玉、第2章が2段玉、第3章が3段玉となっており、各章5手詰めから始まり、解き進めるうちに7手、9手、11手詰めと手数が伸びる構成。そして、最後の第4章は13手詰め集。


書評


上に書いた通りの構成になっていますが、難易度をわかりやすく伝えるため、私が1題に要した平均時間と正解率を、手数ごとにまとめてみました。

棋力→将棋倶楽部24の二段、将棋クエスト10分の三段
項目問題数平均時間正解率
5手詰19問41秒100.0%
7手詰37問2分22秒95.9%
9手詰39問6分25秒92.3%
11手詰34問7分05秒85.3%
13手詰21問21分25秒90.5%
TOTAL150問6分56秒92.0%


5手詰めや7手詰めを解いている時は、手数のわりに簡単とも思ったのですが、11手詰めは解き慣れていないためか結構苦戦する問題もあり、13手詰めはかなり難しく地獄の特訓となりました(笑)

どういうわけか、13手詰めの「10~15分で初段」とされる最初の15題は変化や紛れが多く、30分考えても答えが出ないものも頻繁で、「10~15分で二段」とされる最後の6題は変化や紛れが少なく13手詰めの割りに簡単なものばかりでした。

表紙の「初段」の意味はよくわからなかったのですが、最後の6題以外は全部「○分で初段」と書かれてあるので、初段の人を基準に作ったということでしょうか。

実際、全問題の平均手数は9手詰めなので、将棋倶楽部24の初段になるためには、このくらいの難度の問題ならば全問解き上げるくらいの根性は必要だと思います。(9手詰めが苦にならないようになれば24の初段は間近、が私の持論)

ただ、将棋倶楽部24の初段くらいだと、第4章の13手詰めは苦戦必至。(私もパッと見では初手がわからないものばかりで、5~6手読むと脳内の駒の配置があやしくなったりして、苦戦の連続でした)

駒数は持ち駒を合わせて10~15枚くらいのものばかりで、配置されている範囲も4×5か、5×4に収まる程度のものが大半です。

康光先生の問題は、持ち駒に桂馬があっても、初手で打たないものが多い気がしました。時々、合い駒問題が入っているのは結構ナイス。

最近の詰将棋問題集は一桁手数の問題集ばかりで、そのような状況で、11手詰めと13手詰めが合わせて55題収録されているこの本は、評価が高かったりします。

また、問題図のサイズも大きくて見やすく、非常に良いです。

解説は同手数の変化手順が抜けていることも少なくないのですが、将棋ソフトで確認すれば良いので、この本の難度がマッチするレベルの人なら、それは結構どうでも良いことでしょう。

有段者にとっては、読みを鍛える良い練習になりそうです。


目次


第1章 一段玉を攻める!
第2章 二段玉を攻める!
第3章 三段玉を攻める!
第4章 長手数問題を攻略!
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