実際のところ、棋力と定跡力の関係はどのようになっているのか。
将棋倶楽部24の10級と5級と初段と五段の人の棋譜をもとに、激指14を使って、各段級の定跡手との一致する手数を50局ずつ調べてみました。
なお、途中で激指が認知する定跡から外れても、以降で定跡に合流した場合は、最後に一致したところまでを「定跡と一致」とみなしました。
■将棋倶楽部24の10級同士全50局
激指14の定跡と平均6.8手までが一致
10手以上一致 → 10局
最高17手まで一致
■将棋倶楽部24の5級同士全50局
激指14の定跡と平均7.2手までが一致
10手以上一致 → 11局
20手以上一致 → 4局
最高24手まで一致
■将棋倶楽部24の初段同士全50局
激指14の定跡と平均8.7手までが一致
10手以上一致 → 15局
20手以上一致 → 3局
最高24てまで一致
ここまで調べてみて、10級と初段とで、定跡通りに進む手数に差はあるものの微差。大して関係ないのだろうかとも思ってしまった。
■将棋倶楽部24の五段同士全50局
激指14の定跡と平均12.8手までが一致
10手以上一致 → 26局
20手以上一致 → 11局
30手以上一致 → 2局
40手以上一致 → 1局
最高40手まで一致
初段と五段では750点の差が有り、一致した定跡の手数の差もハッキリした感じ。
しかし、予想していたよりも少なく、激指14が2年前に発売されたものだから定跡が古いのだろうか、などと少し引っかかるものがあった次第。
そこで、今期NHK杯戦での激指14定跡との一致数も調べてみました。
■第66期NHK杯(決勝を除く全46局)
激指14の定跡と平均18.3手までが一致
10手以上一致 → 36局
20手以上一致 → 19局
30手以上一致 → 6局
40手以上一致 → 1局
最高40手まで一致
どうやら、プロの指し手はかなり定跡手と一致しており、激指14の方には全く問題がなかった模様。
1回戦第1局から順々に調べていたのですが、準々決勝に入る前は平均20手を超えていました。
ところが準々決勝に入ると、佐藤康光九段の対局が増え、平均一致数が下がって行きました。また、久保九段の対局も3局中2局が定跡手順と一桁手数しか一致してなかったです。
<結論>
10級と初段の差(1000点差) → 定跡力にそれほどの差はない(1局平均1.9手差)
初段と五段(750点差) → 定跡力に差がある(1局平均4.1手差)
五段とプロ(700点差くらい) → 定跡力に差がある(1局平均5.5手差)
マイナビ 将棋レボリューション 激指14
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