阪田の満足度:★★★☆☆

タイトルだけみると中飛車で勝つ内容だと思う人も居るかもしれませんが、中身は表紙に書かれてあるように「中飛車を破る攻略法」「中飛車戦の次の一手」「知っておきたい必勝手筋・100」です。

本の上側3分の2は居飛車で中飛車に勝つ手順を解説した定跡書で、下側3分の1は手筋を問う問題集(全100問)になっていて、下側の問題集は中飛車とはほとんど関係がありません。

幾つかのコンセプトを詰め込んでお徳感を出す、如何にも昭和の香りがする一冊です。

中飛車 3度将棋が強くなる

それで定跡書の部分ですが「力戦中飛車」「ツノ銀中飛車対▲4六金戦法」「ツノ銀中飛車対玉頭位取り」が解説されていて、「ツノ銀中飛車対▲4六金戦法」がページ数の3分の2を占めます。手番は全て居飛車が先手。

第1章の「力戦中飛車」は本書によるとアマ間で指されている中飛車らしいのですが、居飛車に飛車先の歩を簡単に交換させるその原始中飛車を使う人は初段もなればほとんど居ないです。中飛車好きな者にとって、役立つ順は少ないと思います。(17手で居飛車優勢になる角切りの大技はおもしろかった)

第2章「ツノ銀中飛車対▲4六金戦法」や第3章「ツノ銀中飛車対玉頭位取り」を指す人も今となってはほとんど居ないのですが、こちらの方は中飛車の古典のようなもので、知っておくことを無駄とは思いませんし、比較的読みやすい内容でした。

特に「ツノ銀中飛車対▲4六金戦法」は中原十六世名人が初めて名人を奪取した時の戦型で(その時▲4六金戦法を使ったのは大山十五世名人)、その戦型が詳しく、わかりやすく書かれている内容は、中飛車好きな者としてはおもしろかったです。

第3章「ツノ銀中飛車対玉頭位取り」も、私は玉頭位取り自体を扱った内容をあまり読んだことがないので、結構新鮮ではありました。

なお、内容の三本柱になっている「中飛車戦の次の一手」というのは、解説の途中で本譜の一手を次の一手形式で出題しているだけで、講座の一部です。

ただ読ませるだけでなく読者に考えさせる工夫で、メリハリがついておもしろい構成だと思いました。

「知っておきたい必勝手筋・100」が中飛車の手筋を問う問題ならば、かなりポイントが高かったと思うのですが、内容は初段を目指す人向けの普通の手筋問題集です。

おもしろいのですが、中飛車の本を読んでいるのに何故この問題を解いているのだろう?という感じは否めず、上の講座と下の問題集は別々に読んだ方が良さそうです。

私は2時間か2時間半くらいで全100問を解き、81問正解でした。ひと目でわかるものも多いのですが、時々骨のある問題も紛れ込んでいます。


さて、ツノ銀中飛車の対策としては居飛車穴熊に組むことが最もな対策なので、ツノ銀中飛車の対策としてこの本を読む意味は少ないでしょう。

難しい戦型を級位でもわかるくらいに噛み砕いて書かれていて、本の構成も読者をひきつける工夫があり面白い本なのですが、如何せん30年前の昭和の本なので、実戦で役に立つ可能性はかなり低いです。ただ、中飛車を好きで、ツノ銀も時々指す私はこの本を読んで、それなりに満足感はありました。


<主な内容>
1 力戦中飛車 P13~P56
2 ツノ銀中飛車対▲4六金戦法 P57~P178
3 ツノ銀中飛車対玉頭位取り P179~P216

※各ページ下3分の1に「知っておきたい必勝手筋・100」
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