藤井聡太 新たなる伝説(書評)

将棋の本 書評

対象棋力:全将棋ファン
阪田の満足度:★★★★★

内容はデビュー以来29連勝を達成した中学生棋士・藤井聡太四段について、複数の棋士や観戦記者がさまざまな角度から、その強さやスター性を分析した一冊。

16ページまでは、藤井四段のカラー写真で、以降は「炎の七番勝負」や「29連勝達成の話」などをテーマに、何人ものプロ棋士や観戦記者が藤井四段のことを書き綴っています。(モノクロ写真多数有り)

雑誌感覚で構えず気軽に読めるムック本で、いろいろな人が様々な角度から分析しているため、見解が偏っていないところも高ポイント。

この本一冊で、藤井四段の最近の活躍を振り返ることができますし、藤井四段が如何に天才的なのか、そして藤井四段に関するおもしろい話も多数を知ることができます。

私が特におもしろいと思ったのは、野月八段による「炎の七番勝負 舞台裏の話」、羽生三冠による「炎の七番勝負 全7局超解説(各局、藤井四段のコメント付き)」、観戦記者・相崎氏による「三段リーグの話」と「詰将棋解答選手権の話」、「あの時みんな若かった」「藤井めし」で、そのおもしろさにはとても満足しました。

「あの時みんな若かった」は歴代スター棋士達の若かりし頃と今(引退棋士は現役後半)の写真を対比しているだけですが、それが妙におもしろかったりします。学帽をかぶって詰襟姿の加藤九段の十代のりりしい姿には感動しました。

やっぱり、羽生三冠や加藤九段はほんの少し登場しているだけでも、さすがの存在感なのです。

「藤井めし」は藤井四段が31戦目までに、対局中に注文した食事が調査されていて、その一覧もおもしろいのですが、そこに書かれている文章が非常に巧くて傑作。書いた人が誰かはわからないのですが、人を楽しませることが出来る文章で、その文才をうらやましく思いました。

ところで、この本には局面や手順もそこそこ書かれてあって、NHK将棋講座テキストを読めるくらいの棋力はあった方が、より多くの内容を楽しめるのかもしれません。しかし、わからなければ、飛ばして読んでも、さほど問題ないです。

それから、この本は旬の話題を扱っているので、今読むのが一番おもしろいです。永久保存版にしたい一冊であることはまちがいないのですが、連勝フィーバーが終わって間もない今が、書かれている話題も記憶に新しく、振り返りやすいので最も楽しめると思います。

私はこの本にはとても満足しました。惜しむらくは「藤井めし」の写真がモノクロだったことと、加藤九段による藤井四段の話がなかったこと。そこが満たされていたならば、満足度は100%でも良かったです。

この本は藤井四段ファンには、是非おすすめしたい一冊です。
関連記事
記事タイトルとURLをコピーする

コメント
コメント投稿

トラックバック