10月7日に第68回NHK杯2回戦(森内俊之九段vs加藤桃子奨励会初段)が放送されました。

棋譜は下記の公式サイトでご覧ください。(※毎週月曜日に更新されています)

NHK杯テレビ将棋トーナメント


<感想>
公式戦で永世名人と女性棋士の組み合わせは極めて珍しいこと。

観るだけの者としては非常に楽しみにしていた対局ですが、解説の中村修九段が「森内さんもね、昨年度は藤井さんとあたってね、今年は加藤さんですからね」と話したように、全くその通り(笑)

さて、戦型は加藤初段が先手で相居飛車の力戦型。

29手までに加藤初段だけが1分の考慮時間を4回使い、見たこともない序盤戦にやり難さが伺えました。

局面も銀挟みが炸裂する展開となり、先にペースをつかんだのは森内九段。

しかし、銀を取られる形になると加藤初段の猛攻がはじまり、森内九段が防戦一方の展開に。64手(△5二飛)の局面では大盤解説は先手(加藤初段)持ちの形勢判断。

そして66手(3二飛)の局面で、和田女流初段の「チャンスが来ている?」の問いかけに、「すごい大チャンスだと思います」と解説の中村九段。

森内九段は居玉で、しかも玉飛接近の悪形。

加藤初段が75手▲4三角成といよいよ大駒の角を切り、77手▲3四龍と飛車取りで後手玉に迫ってきたその局面は、どう見ても森内九段の後手玉が風前の灯。

どうやって受けるのか、大盤でいろいろ検討されていましたが、1分の考慮時間を使った森内九段の次の一手は、大盤の検討になかった78手△4二銀打。

解説の中村九段が驚いていました。受けの強さに定評がある永世名人らしい一手だったのかもしれません。

その局面は加藤初段の方から有利にする何かがありそうにも見え、大盤でもそのように解説されていましたが、実際にあったのかどうかは不明。

加藤初段は時間に追われて79手▲5二銀打と王手をかけましたが、そこから数手進んだ局面はどうやら逆転模様で森内九段優勢。

そしていつしか、森内九段の駒は端以外の全てが捌けて行き、最後は角切りからの華麗な即詰みで、96手で森内九段の勝利。最短15手の詰み筋だったようですが、逃さないところは、さすがは永世名人。

本局は森内九段らしい受けの巧さが光った一局でしたが、途中まではあわや永世名人に勝利するかと思わせるシーンも続き、加藤初段の善戦が全国の多くの将棋ファンを喜ばせていたと思います。とてもおもしろい一局でした。


なお、本局についてはNHK将棋講座2018年12月号に加藤初段の自戦記が掲載されるようです。

参考:https://twitter.com/mono_709/status/1048773387277881344(加藤初段のツイート)


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