第68回NHK杯(久保王将vs丸山九段)の感想 - 将棋のブログ

第68回NHK杯(久保王将vs丸山九段)の感想

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2月10日に第68回NHK杯準々決勝(久保利明王将vs丸山忠久九段)が放送されました。

棋譜は下記の公式サイトでご覧ください。(※毎週月曜日に更新されています)

公式サイト:NHK杯テレビ将棋トーナメント


<感想>
本年度のNHK杯準々決勝は全ての組み合わせが「羽生世代vs他の世代」の構図。

準々決勝第2局は丸山九段(激辛流)が登場。相手はポスト羽生世代の久保王将(捌きのアーティスト)。

戦型は後手の久保王将が角道を止めない四間飛車。

24手で久保王将が「25桂ポン」という10年くらい前から指されるようになった振り飛車の手筋で仕掛けると、▲同飛△24歩と自然な応手が続いた後、丸山九段の27手▲85飛と飛車を横に逃がしたのが見慣れない一手。

歩越しのそんなところに飛車を逃がして、どうするのだろうと見入っていましたが、50手くらいまで進むと、双方、駒が綺麗に捌けて、横から攻め合う、比較的普通の戦いに落ち着いていました。

否、落ち着いたという表現は的確ではなく、今度はどちらの攻めが速いのかを競う戦いになっていて、いわゆる手に汗握る終盤戦に突入。

丸山九段は「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の65手▲52金打(畠山八段がこういう手はありません、と直前に解説していた手)で飽くまでも斬り合いに活路を見出そうとすると、寄せ合いはどうやら丸山九段に分がある展開。

久保王将も粘りのアーティストと呼ばれるその手腕で持ち堪えていたのですが、丸山九段が攻めに転じて一瞬自陣に手を戻した85手▲77金打が、打たれてしばらく後に畠山鎮八段も「良さそうな手に見えますね」と解説した好手。

以下は丸山九段が攻めに専念できる形となり、109手で丸山九段が勝利。

本局に激辛と言うような手はなかったと思いますが、27手▲85飛からのやりとりや、寄せ合いの終盤戦はとてもおもしろかったです。

来週は、羽生九段vs豊島二冠。全将棋ファン必見です。


<トーナメント表 ベスト16以上>
第68回NHK杯トーナメント表ベスト16以上10


<コンピュータの形勢判断>
第68回NHK杯準々決勝第2局 形勢評価グラフ
※青色はGPSfish、赤色はdolphin
※コンピュータの判断が正しいわけではありません。


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Comments 2

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大山十五.3世  
No title

いつも将棋ブログを配信下さり、ありがとうございます。

書かれていた24手目の2五桂跳ねは一つの手筋ですが、先に桂馬を捨てて、さらにその後飛車角交換(後手が角を持つ)のは駒損に写ります。振り飛車党なら、この程度の駒損はさほど気にならないものでしょうか?
それでも久保王将が、一時は先手玉を挟撃する形になったときは、先手良しなのかと思っていました。

ベスト8の残り2局は新旧対決ですね。羽生世代の旧勢力がまだまだ生き残るのか、新勢力に譲って新時代になるのか。真に厳しい世界ですが、ファンとしては興味深いところです。

2019/02/13 (Wed) 00:41 | EDIT | REPLY |   
阪田大吉
阪田  
Re:

25桂ポンは、居飛車が歩切れで且つ、飛車を引いてくれると、桂損でも飛車先の逆襲で成立するはずですが、本譜の飛車が横に逃げるのは初めて見ました。

感想戦で、62手△95桂打では、すでに苦しくなっていた旨を久保王将がこぼしていたので、形勢を悪くしたのはその前だったということになりそうですよ。

準々決勝残る2局は本当に楽しみですよね。

2019/02/13 (Wed) 02:06 | EDIT | REPLY |   

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