第29回世界コンピュータ将棋選手権、優勝候補など

コンピュータ将棋
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将棋所

今年も5月3日~5日に世界コンピュータ将棋選手権が開催されます。

ニコ生では5月5日の決勝の模様が中継されるようです。

日進月歩のコンピュータ将棋。どのプログラムが強いのか、特に最近は皆目見当もつかないのですが、やねうら王の開発者の方によると、優勝候補は下記のプログラムらしいです。(参考:今年のWCSC29の見どころは?(やねうら王))


■Aoba Zero

保木邦仁氏(BONANZA)、山下宏氏(YSS)、小林祐樹氏(囲碁プログラム「Ray」)によるタッグチーム。初参加。


■Crazy Shogi
コンピュータチェスの開発者として有名なRemi Coulom氏が、AlphaZero方式で作った将棋プログラム。昨年は一次予選12位。


■水匠
NNUEkaiXという評価関数バイナリの作者が開発したプログラム。初参加。


■Novice
やねうらお氏の話ではアピール文書通りなら、優勝候補。昨年は二次予選14位。


■Kristallweizen
昨年の優勝プロブラム「Hefeweizen」の最新版。


■狸王
ニコ生の「ぽんぽこ」で有名なtanuki-チームの最新プログラム。昨年は決勝リーグ5位。


■Apery
優勝実績もある大会常連ソフト。アピール文書によると「WCSC28のAperyより強くなった!」とのこと。昨年は決勝リーグ3位。


■大合神クジラちゃん
ニコ生視聴者のPCと大規模クラスタリングするユニークなプログラム。昨年は決勝リーグ6位。


保木氏と山下氏がカムバックしているのは、嬉しい報せ。

コンピュータ将棋の現状はいまいちよくわからないという方も、上に書いた程度のことでも事前に知っておくと、観戦の楽しさが倍増すると思います。(たぶん)

ShogiGUI.jpg


あと、特筆すべきは「やねうら王」が世界コンピュータ将棋選手権に初登場すること。前もエントリーされていたものの、結局キャンセルになったということがあったのですが、今年は出場までたどり着くのか否か、まずはそこに注目。

出場したならば、決勝リーグ入りが期待できるくらい、強い気はします。(電王トーナメントでは5大会のうち4大会で4位以上)


最近は評価関数や探索部に「やねうら王」を使用したいわゆる「やねうらチルドレン」の台頭が顕著ですが、今年はそのあたりの勢力図はどうなるのかも注目事項。


それから、ルールが少しばかり変更されています。
(参考:第29回世界コンピュータ将棋選手権)


昨年は「持ち時間10分、1手ごとに10秒追加」だったのが、今年は「持ち時間15分、1手ごとに5秒追加」に変わったようです。少しばかり時短されたということでしょうか。これが大きな変更なのか、どうでもいいことなのか、私にはよくわかりません。

もうひとつ、引き分けとなる手数が256手から320手に増えたようです。前述の時短と関係がありそうな気がします。コンピュータ将棋の現状に対応した、適切なルール変更だと思います。

強い者同士が対局すると手数が伸びるような説もあるのですが、それもあるとは思いますが、256手で収まらないことが多いのは、基本的にコンピュータは自玉が動けなくなるまで頑張るので(※そのように設定されているので)、そちらの方が手数が長くなる主要因のような気はします。


さて、今年はどのソフトが優勝するのか。斬新なアイディアを持ったプログラムが出てくるのか。楽しみです。


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コメント
  • No title
    2019/05/04 22:58
    >引き分けとなる手数が256手から320手に増えたようです。
    元から(今期から)こういうルールなのか存じ上げないで言いますが…
    木村菅井戦のアレを観てしまうと317手より上で切りの良い数字
    にしたくなりますよね(笑)
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