第29回世界コンピュータ将棋選手権決勝の感想

コンピュータ将棋
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5月5日に第29回世界コンピュータ将棋選手権決勝が行われ、8チームによるリーグ戦で「やねうら王」が優勝しました。

<決勝リーグの結果>
第29回世界コンピュータ将棋選手権決勝
※同じ勝ち点の場合、負かした相手の勝数の合計が多い方が上位(SB方式)

■各賞
新人賞 やねうら王

独創賞 Novice


<感想>
最終7回戦では、共に4勝1敗のやねうら王とKristallweizenの対戦で、勝利した方が優勝で、中継していたニコ生の番組は最高に盛り上がるはずでしたが、37手で早々と千日手引き分けが成立し、休憩からの番組再開前に優勝が決定。

これはこれで、思わず笑いがこみ上げてくる展開でした。

二次予選が終わった段階で、開発者のやねうらお氏がそのブログで、地力では一番強い自信がある旨をのぞかせていて、可能な限り千日手を避ける設定に換える旨を書いていたのですが、最後は千日手でも優勝だったので、急遽、「千日手で優勝大作戦」にシフトした模様。

具体的には千日手の評価値が通常-1のところを、-50に換えることで千日手を可能な限り避け、「千日手で優勝大作戦」では+200に換えて可能な限り千日手を選ぶように設定し直したことが、そのブログとツイッターに書かれていました。

優勝するために最後まで努力を怠らないことは素晴らしいことだと思います。また、その策を大当たりさせているところも、素晴らしい勝負勘で、コンピュータ将棋への造詣が深さが伺えます。

やねうらシリーズの本家が優勝したことは、素直に良かったことのように思えました。

今一番、コンピュータ将棋に影響力のあるプログラムとしか思えないし、私もプロ将棋の観戦時にはお世話になっていますし(商品版「将棋神やねうら王」)、やねうら王が大きなコンピュータ将棋の大会で優勝するところを一度は観たいと思っていたからです。

ドワンゴ賞優勝賞金100万円の目録を受け取りに、竹部女流( やねうら王 with お多福ラボ 2019の一員)が現れた時は、空気が和みました。さすがです。


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