羽生善治の「次の一手」150題(書評)

将棋の本 書評

阪田の満足度:★★★★☆


内容は羽生九段の実戦に現れた局面を題材にした次の一手問題集。

出題数は序盤問題(20題)、中盤問題(30題)、終盤問題(30題)、寄せの一手(35題)、詰みの一手(35題)の全150題。

構成は1ページ1題でヒント有り。めくって裏のページに解答解説。

私(将棋倶楽部24の二段、クエスト10分の四段)が解いた結果は下の通り。

第1章(序盤の一手)20問中7問正解
第2章(中盤の一手)30問中19問正解
第3章(終盤の一手)30問中17問正解
第4章(最終盤・寄せの一手)35問中23問正解
第5章(最終盤・詰みの一手)35問中33問正解

正当総合計 99/150(正解率66.0%)

巻末に61題以上正解ならば初段、91題以上ならば二段、121題以上ならば三段と書かれていました。

ハッキリ言って難度は高いです。マイナビの「三段の力」や「三段の終盤」よりも難しかったです。

創作次の一手問題ならば正解以外は全て先手が悪くなるのですが、この本のような実戦譜からの次の一手だと、正解手以外にも良い手が幾つかあったりするからかもしれません。

問題図の局面自体も、互角に近いものや、高度な大局観を必要とするものが結構多かった気もします。

ところで、第5章の即詰み問題は初手が1通りしかないものを集めていて、おもしろいと思いました。ただし難度は比較的高く、後半は二桁手数の問題ばかりで1問あたり平均20分くらい考えました。

この本の長所は何と言っても、羽生九段の実戦譜を扱っていて、羽生九段の考えを学ぶことが出来ることです。また、本の作りも力作で、値段が安いのも良いです。

一方で短所は全ての問題が「○分で初段」の割に、それに見合わない難問がゴロゴロあること。また、上にも書きましたが、マイナビの創作次の一手問題に比べると、明快さがやや欠けることです。不正解だった時にはモヤモヤ感が残ることも少なくなく、激指15で確認しました。

そういうわけで、私の満足度は★4つ(正確には★3つ半)とさせて頂きました。
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