第32期竜王戦七番勝負第5局の感想

プロ将棋
津和野町2

12月6日、7日に行われた第32期竜王戦七番勝負第5局は143手の大熱戦の末、豊島将之名人が広瀬章人竜王に勝ちました。

七番勝負は豊島名人の4勝1敗となり、豊島名人が竜王位を獲得。竜王・名人の同時獲得は史上4人目。(他の3人は谷川九段、羽生九段、森内九段)

棋譜:第32期竜王戦七番勝負 第5局(日本将棋連盟)

談話:記者会見(公式ブログ)
■感想
豊島名人が先手で角換わり腰掛銀となった第5局。

封じ手は前日から本命視されていた55手▲65歩。

前日から、次の57手からの豊島名人の指し手が難しいと言われていて、実際に盤面も広瀬竜王ペースになって行きました。

豊島名人も75手で飛車を切り勝負に出ますが、形勢が変わることはなく、残り時間も広瀬竜王の方が優位で迎えた終盤戦。

広瀬竜王の寄せが始まり、いよいよ第6局が濃厚になってきたその時、名人の89手▲54桂とタダ捨てに跳ねた王手が、ニコ生大盤解説の豊川七段も驚いた勝負手!

豊島名人は91手でさらに▲75角と合駒請求に王手を掛け、続けざまに93手▲66角と相手陣を揺さぶると、広瀬竜王に疑問手が続き、なんと形勢逆転。

しかし、今度は広瀬竜王の方が王手ラッシュで勝負をかけると、盤上は詰むや詰まざるやの頂上決戦にふさわしい白熱の終盤戦。

ニコ生大盤解説では豊島名人の玉が何度も詰んだことになっていて、ハラハラドキドキの終盤戦をさらに盛り上げていたのですが、名人の玉さばきは的確で、際どいながらも詰まされることはありませんでした。

そして、名人は手番がまわってきても、追う手を連続することはなく、冷静な対応で最後は後手玉を即詰みに討ち取り、竜王名人達成。

もう駄目かと思われた局面を逆転していく過程は本当に素晴らしく、将に名人でした。

電王戦では真っ向から闘った豊島名人が、竜王名人を達成したことには、なんだか、とても良かったと思いました。


■コンピュータの形勢判断
第32期竜王戦七番勝負第5局 形勢評価グラフ
※青色はGPSfish、赤色は水匠改
※コンピュータの判断が正しいわけではありません。


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コメント
  • No title
    2019/12/08 09:24
    いつも感想記事ありがとうございます。観戦の翌日の楽しみになっております。
  • No title
    2019/12/08 16:02
    嬉しいコメントをありがとうございます。
  • No title
    2019/12/08 19:59
    腰掛銀が3四まで出てから、また4五銀と引き上げる手があるのですね。

    豊島竜王・名人が誕生しました。棋聖戦・王位戦と惜しい内容での失冠が続いたので、ここで盛り返した感もあります。
    広瀬竜王は最近調子を上げてきましたが、棋王戦や王将リーグの大きな対局が続いたため、厳しい日程だったのかも知れません。
    それにしても、このところタイトル交代が多いですね。
  • No title
    2019/12/09 01:37
    45銀と引いた手は指し手の速さからも用意の新手だったみたいですね。

    確かにタイトル交代が多いですね。今年度は今のところ男性プロ棋戦のタイトル防衛がないですもんね。
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