詰むか詰まないか 読みきり将棋(書評)

詰将棋の本

難易度:★★★★★★☆☆☆☆
満足度:★★★★★
内容
ひとつの問題に「詰む問題図」と「詰まない問題図」のふたつがあり、どちらが詰んで、どちらが詰まないのかを読みきる。詰む場合は駒余りお構いなしの全159題。


構成
1ページに似た駒配置の図面が二つでワンセット。ヒントや手数表示は無し。手数は完全にランダム(※手数順には並んでいない)。めくって次のページに解答解説。


書評
私が1題に要した平均時間と正解率を章ごとにまとめてみました。

棋力 →将棋倶楽部24の二段、将棋クエスト10分の四段
項目問題数平均時間正解率
入門編(3~9手)50問58秒98.0%
初級編(5~13手)60問3分21秒88.3%
中級編(5~19手)49問5分26秒87.8%
TOTAL159問3分15秒91.8%


最初の方の簡単な問題を解いている時は、詰まない方の問題図が無駄に思えていたのですが、そのうちやや難しめの問題の出現頻度が上がると、詰むと思った方に見落としがあったり、詰まないと思った方に勝手読みがあったりして、そういうことを繰り返しているうちに、何手詰めかがわからないことも手伝って、答えを見る間際にはドキドキ感を伴うようになりました。

散々悩んで「何故、こんな難しい問題が?」とギブアップして、答えを見たら5手詰めだったなんてこともありました。

詰将棋で詰まない問題図はNGですが、この本の場合は片方が詰まないことはわかっており、詰まない問題図があることで問題を解く楽しさが一段と増しています。

何度も繰り返して読みたいとかそういう類ではないのですが、単純に問題を解くことが楽しくなる本なのです。

通常の詰将棋の問題だと、詰将棋らしい手順で手数も合えば、正解にたどり着いたことをある程度確信できるのですが、この本の問題は手数がわからない上に、正解に凝った手順も少なく、しかも詰みがあるとは限らないため、通常の詰将棋問題よりもさらに読みを鍛える訓練になっている気もしました。

対象棋力ですが、手順が比較的簡単とはいえ、合駒問題や11手詰め以上もチラホラあるので、通常の9手詰めが苦にならない程度の棋力はあった方が良いと思います。

細かいことを言うと、問題60と問題120が同じだったのはNG。しかし、全体的にはこれまでになかったおもしろさがある本なので、満足度は星5つとさせて頂きました。


目次
入門編(50題)
初級編(60題)
中級編(49題)
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