難易度:★★★★★★★★☆☆
満足度:★★★★☆
目次
内容
Z(絶対に詰まない)の法則を生かした敵玉の寄せ方や、自玉をZにするテクニックを、著者のオリジナル問題を中心に詳細に解説。
構成
出題形式で、最初に1ページに1題の問題図があり、めくって次のページから数ページにわたって解答解説。章末と、時々問題解説の後に「実戦に学ぶZ術」として実戦の寄せの手順を解説。
書評
出題形式になっており、全部で35題があるのですが、私が1題に要した平均時間と正解率を章ごとにまとめてみました。
棋力 →将棋倶楽部24の二段、将棋クエスト10分の四段
項目 | 問題数 | 平均時間 | 正解率 |
---|---|---|---|
第1章 | 12問 | 1分36秒 | 66.7% |
第2章 | 8問 | 3分33秒 | 50.0% |
第3章 | 6問 | 10分22秒 | 66.7% |
第4章 | 6問 | 13分47秒 | 66.7% |
第5章 | 3問 | 20分04秒 | 66.7% |
TOTAL | 35問 | 7分13秒 | 62.9% |
※ヒントに合致した急所の局面までを読めていたら正解としました
正解率はどの章も似たようなものですが、使った時間から後ろの章ほど難しいということになるのでしょうか。解いている時には、難易度の違いはあまりわかりませんでした。
多くの問題で、自玉には詰めろが掛かっており、それを外して自玉をZ(絶対に詰まない形)にする攻防手の発見が鍵になります。
とにかく、自玉をZにして、あとはひたすら駒をぶったぎって、相手玉を寄せ切ることを目指す、主にその技術を教える本です。
本の中でも難しいことが度々強調されているのですが、将棋倶楽部24の初段もあれば普通に読める内容です。
また、そのくらいの棋力の人にとって目からウロコの将棋に強くなるためのヒントが幾つも説かれています。
なお、章末や、問題の後に時々ある実戦の終盤解説は手順が長いもの(40手前後)もあったりして、確かに難しいです。難しいのですが、並べるだけでもZ流の寄せの感覚がなんとなくわかりました。(私は本にある全ての図面を並べました)
1996年に発刊されて以来、2度も復刊されただけのことはあり、教えている内容自体は素晴らしいです。次の一手問題集などで稀に見る「逆王手Z」も徹底解説されていて、そういう筋を初めて見る人はとても感動するでしょう。
惜しい点は、正解手順にココセ(後手の疑問手・悪手)がある問題や、後手受け無しとする結果図が実はそうでもなかったりなど、そういうものがチラホラと見られたことです。
一方で将棋ソフトの最善手を超える手順があったことも補足しておきます。(例えば「術の21」)
満足度は星5つで良いのですが、問題の完成度が高いとは言えないため、星4つとさせて頂きました。
(※私は2016年に発刊された下記の本で読みました)
目次
第1章 Zの素人編
第2章 Zの新人編
第3章 Zの凡人編
第4章 Zの鉄人編
第5章 Zの達人編
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