難易度:★★★★★★★★☆☆
満足度:★★★★☆
余詰め及び駒余り有りはお構いなしで、正解は玉方最強の粘りによる最長手順の詰み筋。実戦的な形(部分図)にこだわった問題集で、シリーズ第二弾の今作では、玉方に持ち駒制限がある問題も追加されている。
正解手順の手数は7~21手(平均11.8手)、全180題。
構成
1ページ1題で、各問題図の真下にヒントと難度、めくって次のページに解答解説の普通の問題集。
書評
私が解答に要した1題あたりの平均時間や正解率を難度別にまとめてみました。
※棋力は将棋倶楽部24の二段、将棋クエスト10分の四段
項目 | 問題数 | 平均時間 | 正解率 |
---|---|---|---|
★1つ | 33問 | 2分20秒 | 100.0% |
★2つ | 62問 | 4分08秒 | 93.5% |
★3つ | 65問 | 8分31秒 | 93.8% |
★4つ | 13問 | 12分25秒 | 76.9% |
★5つ | 7問 | 27分45秒 | 71.4% |
TOTAL | 180問 | 6分54秒 | 92.7% |
章ごとにもまとめてみました。
項目 | 問題数 | 平均時間 | 正解率 |
---|---|---|---|
居飛車系問題 | 81問 | 6分06秒 | 97.5% |
振飛車系問題 | 53問 | 6分31秒 | 92.5% |
持駒制限問題 | 46問 | 9分03秒 | 84.7% |
TOTAL | 180問 | 6分54秒 | 92.7% |
前作よりも手数が平均で2.5手伸びた分、難易度も上がっています。
問題図は表紙にあるような部分図で、実戦に出てきそうな形ばかりですが、それを暗記してそのまま使えるというわけではなく、解いてみたくなる部分図がならんだ問題集というのが的確でしょうか。
今作では玉方に持ち駒が制限された問題(全46問)が掲載されていますが、要は、手順に必ず合駒が入ります。どの駒を合駒するのが最も長く玉を延命させられるかを考える問題で、不詰めになる合駒は入ってません。
普通の詰将棋ならば、駒余りなしで、憎い手順が入っていて、指定された手数であれば正解を確信できるのですが、この本の問題の場合は余詰め、駒余りはお構いなしで、問題図で手数は不明なため、玉方の最長の受けを見落とす頻度が増え、正解率が下がりました。より正確な読みを鍛える訓練になっているということでしょうか。
また、前作から予想して、1時間考えてもわからない問題はないだろうと高を括っていたのですが、第3章第43問と第3章第45問は1時間考えても正解筋らしいものが見えてこないのでギブアップしました。
どちらも大海に逃げられそうで実は逃げられない筋があり、そういうのが正解筋なり変化なりにあると苦戦するのは、たぶん私だけではないと思います(笑)
十数手先の局面を頭の中に描くことを繰り返すため、読みの瞬発力を鍛える良い訓練になりました。
前作は私にとっては少し簡単でしたが、今作は私にとってちょうど良い難易度でした。読みの力を維持、向上させる良書だと思います。
目次
第1章 居飛車系問題
第2章 振り飛車系問題
第3章 持駒制限問題
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