
将棋倶楽部24のレート点数がデフレであること、これはその会員の多くが感じていることだと思います。しかし、それを誰もが納得できる形で筋道を立てて説明出来た人を今のところ知りません。仕方がないので、私が解説します。
まず、昨日、将棋倶楽部24でレーティング対局室に居た500人のデータをランダムで抽出させて頂きました。(重要なポイントは現在レート戦をやっているユーザーのデータでなければ意味がありません)
抽出作業は時間の掛かる恐ろしく地味な作業になるのですが、それはこの際おいといて、抽出したデータを棋力別にまとめると下のようになります。

最初に断っておきますが、この表からはデフレの実態は見えてきません。
ただ、10年くらい前までは現レートが最高Rよりも200点くらい違うのはよくあることでしたが(1日50局とか滅茶苦茶な指し方をやってたら200点くらい落ちることは自分にもあった)、400点違うとさすがに過少で遊んでいることを疑われるレベルでした。
将棋倶楽部24のレート計算式上、400点違うと上位の31勝1敗が理論値です。(実際は400点ピッタリの差だと下位が2勝以上をする確率の方が高いのですが、本題とは関係ないのでスルーして下さい)
参考までに、私は10年前は初段でしたが、5級の方を相手に2枚落ち上手で勝つこともありました。勝つこともあるというだけで、勝つ確率の方が低いとは思いますが、とにかくそのくらいの棋力差がありました。
それから、私は自分の棋力付近の状況しか知りませんでしたが、今回のデータ抽出作業で、各段級似たようなことになっており、特に10級前後が凄いことになっていたのは新発見。
なお、書くまでもありませんが、八段は人間の限界となる点数に近づいているため、当然ながら「最高R-現R」は低い数値になります。
さて、要らぬ話をいっぱいやったところで、いよいよ将棋倶楽部24のレートのデフレを証明します。
下は、上のデータを入会日別にまとめた表です。

その数値を見れば、説明は不要でしょう。
むしろ、どうやったらデフレでないことを証明できるのか、それほどまでに一目瞭然です。
それでもわからないという人のために噛み砕いて説明しておきますと、ID10万以下の方々は、点数だけを見ると、20年も将棋をやり続けているのに、強くなるどころか弱くなっています。
これが、2500点とか2800点とか人間の限界に挑戦している人ならば、年をとって弱くなることも考えられるのかもしれませんが、1000点ちょっとで、将棋倶楽部24で遊べば遊ぶほど弱くなるというのは、デフレ以外の理由で説明は不能。
そして、奇しくも上述の10年前の私の話と、最近の会員であるID40万台以上の方々の状況もはからずして一致しています。
同じ環境のもとでやっていたならば、最高Rと現Rはそれほど乖離しないことが、ID40万台の方々のデータからわかります。
将棋倶楽部24のデフレを考える際、その要因については難しく考える必要はありません。
2010年頃までは高段者の方が将棋ソフトよりも強かったのですが、それ以降は将棋ソフトの方が強くなり、その情報がネットやテレビで大々的に拡散されました。
そして将棋倶楽部24のユーザー間では、2010年頃までは高段者のインフレの方が囁かれていて、数年前からは全体的なデフレの方が囁かれるようになりました。
それが将棋倶楽部24とそれを取り巻く時代背景のありのままの話です。
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