難易度:★★★★★★★★★★
満足度:★★★★☆
内容
桑原辰雄氏作の7~17手詰め全110題。(正解手順の平均手数は13.0手)
構成
第1問から第20問までは1ページ2題、第21問から第110問までは1ページ1題。
第1問から第20問まではヒント無し、手数表示有。
第21問から第90問まではヒント有、手数表示有。
第91問から第110問まではヒント無し、手数表示無し。
各問題、めくって次のページに解答解説。
書評
私が1題に要した平均時間と正解率を章ごとにまとめてみました。
棋力→将棋倶楽部24の二段、将棋クエスト10分の四段、81道場の五段
項目 | 手数 | 平均時間 | 正解率 |
---|---|---|---|
初級コース20問 | 7~9手 | 3分42秒 | 100.0% |
中級コース40問 | 11~13手 | 29分32秒 | 82.5% |
上級コース30問 | 15~17手 | 36分39秒 | 83.3% |
チャレンジコース20問 | 13~17手 | 36分55秒 | 75.0% |
TOTAL | 7~17手 | 28分03秒 | 84.5% |
手数ごとにもまとめてみました。
項目 | 問題数 | 平均時間 | 正解率 |
---|---|---|---|
7手詰 | 10問 | 2分24秒 | 100.0% |
9手詰 | 10問 | 5分00秒 | 100.0% |
11手詰 | 20問 | 25分40秒 | 85.0% |
13手詰 | 24問 | 32分17秒 | 79.2% |
15手詰 | 21問 | 43分29秒 | 85.7% |
17手詰 | 25問 | 32分26秒 | 76.0% |
TOTAL | 110問 | 28分03秒 | 84.5% |
上の表を見てもわかるように、7手詰と9手詰はたいしたことないのですが、11手詰以降は難問の出現率が大幅アップ!本のタイトルからイメージできる通りの難しい問題集です。
使用駒は持ち駒を併せて14~15枚と普通ですが、盤面を比較的広く(30マスくらい)使っている問題や、「初手」「紛れ」「変化」の多い問題、そういう問題が多かった印象。
形は比較的普通で、奇抜な形はほとんどなく、玉の初期位置は全て五段目よりも下。ただし、三段目が多く、三~五段目が半数以上あります。そのあたりも、難しい理由のひとつでしょうか。
入玉形がほとんどないため、妙防というのは移動合くらいしか記憶にないのですが、通常の詰手筋だけでは解決できない盲点を狙った問題が多く、私がこれまで読んだ詰将棋の本の中では一番難しかったです。
具体的には「光速の詰将棋」や「楽しみながら強くなる さわやかな詰将棋105」と同じくらいか、それら以上の難度だと思います。
1時間以上考えても正解にたどり着けなかった問題が15題ありました。何かの参考になるかもしれないので列挙しておきます。
「第29問」「第33問」「第39問」「第45問」「第59問」「第72問」「第73問」「第81問」「第85問」「第86問」「第102問」「第103問」「第104問」「第106問」「第110問」
ほとんどが初手から数手までは正解手順と同じ順を読んでいるのですが、変化の難しいものが多く、その順は詰まないと切り捨ててしまい、正解にたどり着けなかったという感じです。
また、正解は出来たものの1時間以上考えたものは次の通り。
「第38問」「第46問」「第50問」「第68問」「第70問」「第71問」「第84問」「第99問」
全体的には合駒問題や打ち歩詰め打開の問題も適度にあり、一種類以外の合駒は全て詰んでしまう紛れ筋のある問題や、不成が二度出てくる問題なんてのもあったりして、難問も多いのですが、全題を解き終えた後の達成感は格別でした。おかげで、詰将棋力が少しだけ、グレードアップした気がします。
十数手詰めの難しい問題を求めている人、有段者で読みの力を鍛えたい人、そういう人にはおすすめの一冊だと思います。
目次
初級コース20問
中級コース40問
上級コース30問
チャレンジコース20問
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