第70回NHK杯(小林七段vs高野五段)の感想

プロ将棋
大盤解説2

6月28日に第70回NHK杯1回戦(小林裕士七段vs高野智史五段)が放送されました。

棋譜:NHK杯(公式サイト)
(※毎週、月曜日に更新されています)

目次

感想


戦型は小林七段が後手で一手損角換わり。

中盤は小林七段の歩を巧みに使った連続技が成功した形になったのですが、高野五段が少考後に指した55手▲72との飛車取りに、小林七段が56手△31飛と逃がすと、それが自らの飛車を封印した形となり、次第に盤上は高野五段有利の流れ。

ところが、今度は高野五段の方にも緩手が出ると、それを機に小林七段は守りから攻めに転じ、龍を使って相手玉を猛追。

ワッショイワッショイ、上へ上へと自らの成り駒で築かれた空中要塞に玉を進めようとする高野六段。そこに潜られると、もはや捕まりそうにない形。

そういうムードが漂い始めた時、小林七段が指した84手△62桂打のタダ捨ては、入玉を阻止しようとする五手一組を狙ったプロの技。

それを見た解説の中村修九段が「ほっほーう」と驚きの一声。藤田女流も「凄い手が」と同じく驚きの一声。

本局で一番の妙手だったと思います。

しかし、勝敗は別で、高野五段が相手陣への玉の入城を成功させると、今度はそれを護る駒の利きが流れ弾として相手玉付近にとどき始め、高野五段の指す手が次から次へと攻防手。

こうなると、プロでも切り返すのは難しく、123手▲65角打の王手を見て、小林七段が投了。高野五段の勝ち。

ところで、本局のような難しい終盤戦になると、「指運」と呼ばれるものも勝敗に関わってくるのは常で、本局も114手で小林七段が△94角と打って攻めに転じていたならば、勝敗は逆になっていたかもしれないという感想戦での話。本当に将棋というものは油断ならないと思いました。

本局は入玉模様の将棋独特の攻めや凌ぎの指しまわしを観ることが出来た、とても素晴らしい一局だったと思います。


コンピュータの形勢判断


第70回NHK杯1回戦第7局
※青色はGPSfish、赤色は水匠2
※コンピュータの判断が正しいわけではありません。

トーナメント表


第70回NHK杯テレビ将棋トーナメント
第70回NHK杯20200628

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