
対応機種 | NINTENDO64 |
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発売元 | アスキーサムシンググッド |
発売日 | 1998年12月18日 |
最高棋力 | 激指15の2級【50分/126手】 |
特記事項 | 棋譜読み上げは高橋和女流三段 |
※【】内は激指15と16局対戦した際の消費時間と手数の平均
目次
AI将棋3とは
AI将棋3とは1998年12月にアスキーサムシンググッドから発売されたNINTENDO64用の将棋ソフト。
PC版からの移植で、「1」と「2」はPlaystationに移植されています。
思考ルーチンには山下宏氏のYSSを搭載しており、YSSは1997年2月の第7回世界コンピュータ将棋選手権で予選・本戦ともに全勝で優勝しています。パッケージでも「第7回コンピュータ将棋選手権 全勝優勝」と強調されています。
AI将棋3の主な機能

機能は対局機能と盤面編集のみ。
コンピュータのレベルは、最初は「レベル0」から「レベル5」までの6段階。
レベル5に勝利すると、最強の「プロレベル」が追加されます。
このソフトよりも少し前に発売されたプレステ版の「東大将棋」も、最初から表示されている一番強いレベルに勝つと、最強レベルが登場するという仕様になっているのですが、当時の流行りでしょうか。
手合割は平手から六枚落ちまでありますが、持ち時間は無制限のみ。
好きな局面を作って、そこから対局を継続させることも可能。
それから、棋譜読み上げが高橋和女流で、当然ながらパッケージでもセールスポイントとして強調されています。
AI将棋3の強さはどのくらい?
さて、気になるAI将棋3の強さですが、私が強い又は強くないと言っても私以外の人には通じませんので、客観性を重視して、AI将棋3の最強レベル(プロレベル)と激指15と対戦させてみました。
対激指15の2級 → AI将棋の4勝4敗【約47分/122手】
対激指15の1級 → AI将棋の2勝6敗【約52分/131手】
激指1とも対戦させましたので、そちらの結果も記しておきます。
対激指1の2級 → AI将棋の5勝3敗【約53分/134手】
対激指1の初段 → AI将棋の2勝6敗【約41分/117手】
※【】内は消費時間と手数の1局平均
以上の結果から、激指15の2級相当と考えるのが妥当と思われます。
激指15と対戦させてみた結果は、プレステ用のAI将棋2と同じ成績。AI将棋3の方が時間を多く使っていたりして、棋力がアップしているとは言い難い結果。
また、最強羽生将棋と比較すると、激指1との対戦成績はAI将棋の方が上回りましたが、激指15との対戦成績は最強羽生将棋の方が上回りました。消費時間は同じ程度。つまり、最強羽生将棋とは同じくらいの強さということでしょうか。
AI将棋3と対局してみた

AI将棋3と対戦してみました。
レベル5と対戦して、危なげなく勝利を収め、棋譜を確認しようと思いきや、なんと終局後には棋譜を見直すことが出来ない!
コントローラーパック(外部記憶装置)があれば、棋譜を保存できるようですが、それが電池式であるため、そんな20年以上前の代物がもはや使えるはずもありません。
そういうわけで、レベル5を倒したら現れる「プロレベル」とは、棋譜を取りながら対戦することとなりました。
さて、自らの対局および上記「激指」と対局させていた時に、わかったことを箇条書きで記しておきます。
・メジャー戦型の定跡が一通り各10手くらいまで入っている
・使用時間は長くともレベル5で1手30秒前後、プロレベルで1分前後
・初手▲56歩に対しては、いきなり時間を使う
・美濃や矢倉、穴熊までも優秀な囲いとして認識してる模様
・プロレベルでも13手以上の詰み筋は読めてない模様
・千日手という概念がない
千日手を知らないというのは、将棋ソフトとしては結構なNG。
それはさておき、レベル5とプロレベルの強さを比較した場合、体感だとあまり差が無いように思えました。
10年ぶりにAI将棋3プロレベルと対局した一発目の棋譜も付けておきます。
▲阪田大吉
△AI将棋3プロレベル
将棋盤
0手
どこがプロレベルじゃ・・(ボソッ
AI将棋3の評価

私のことだから、発売日間もない頃に購入したはずですが、実は遊んだ記憶がほとんどありません。
同じNINTENDO64のソフトでも、「最強羽生将棋」や「森田将棋64」は遊んだ記憶がそれなりにあるのですが、AI将棋3については遊んだ記憶がほとんど無いのが正直なところ。
通常対局以外に遊び心のあるコンテンツや、ビジュアル面もしくはサウンド面での魅力的な要素が無ければ、あまり遊ばないということでしょうか。
NINTENDO64の将棋ソフトの中では一番後発で、最も強い可能性もありますが、他の2本と比べて明らかに強いというわけではないようです。(激指1と対戦させた時は1番優れた成績でしたが、激指15と対戦させてみたら最強羽生将棋の方がわずかにリード)
また、ゲーム機は違いますが同シリーズのプレステ版AI将棋2と比べても、棋力向上という点については、目に見えたものを確認することは出来ませんでした。
それでも、AI将棋3の方は棋譜読み上げに高橋和女流を起用していたり、背景画像に畳を選べるようになっていたりと、将棋ソフトとしての価値はグレードアップしていたと言えます。(個人的には将棋ゲームの背景画像に畳は必須と考えている)
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