対局将棋 極(PlayStation)

将棋ソフト

対応機種PlayStation
発売元LOG
発売日1995年9月29日
Lv5の棋力激指15の4級【41分/122手】
研究Lvの棋力激指15の2級【117分/130手】
特記事項・詰将棋300問を収録
・次の一手300問を収録

※【】内は24局行った際の消費時間と手数の平均

目次

対局将棋 極とは


極(きわめ)は金沢伸一郎氏が開発した将棋AIをPlayStation用として移植したゲームソフト。

開発用の極は、
1991年12月 第2回世界コンピュータ将棋選手権で2位
1992年12月 第3回世界コンピュータ将棋選手権で優勝
1993年12月 第4回世界コンピュータ将棋選手権で優勝
1994年12月 第5回世界コンピュータ将棋選手権で優勝

1996年1月に行われた第6回大会でも、プログラム名を金沢将棋に変えて優勝している。


主な機能


「対局」COMのレベルは1~5、10秒将棋、研究の7種類。
「棋譜再現」対局後に棋譜を再現できる。
「盤面設定」盤面編集機能と詰将棋を解かせる機能付き。
「問題集」詰将棋300問と次の一手300問を収録。

※人同士の対戦も可能。COM同士の対戦は不可。


極の棋力




■極Lv5 vs 激指15の5級
対局名手数消費時間勝者
第1局70手13分31秒
第2局132手55分36秒
第3局118手25分51秒
第4局152手65秒2秒
第5局92手29分16秒激指
第6局127手31秒36秒
第7局171手58分20秒
第8局136手34分49秒激指

極の6勝2敗

■極Lv5 vs 激指15の4級
対局名手数消費時間勝者
第1局158手70分17秒
第2局121手38分58秒激指
第3局110手33分25秒激指
第4局144手34分21秒
第5局139手50分52秒
第6局65手9分59秒
第7局180手92分34秒激指
第8局147手55分32秒

極の5勝3敗

■極Lv5 vs 激指15の3級
対局名手数消費時間勝者
第1局95手33分29秒激指
第2局76手22分9秒
第3局125手28分14秒激指
第4局117手51分2秒激指
第5局108手50分56秒激指
第6局130手36分0秒激指
第7局112手32分31秒激指
第8局113手31分17秒

極の2勝6敗



■極研究 vs 激指15の3級
対局名手数消費時間勝者
第1局156手185分9秒
第2局142手107分10秒
第3局97手79分15秒激指
第4局199手205分53秒激指
第5局73手29分9秒
第6局163手52分23秒
第7局87手68分31秒
第8局144手123分10秒激指

極の6勝2敗

■極研究 vs 激指15の2級
対局名手数消費時間勝者
第1局118手88分40秒
第2局95手102分15秒激指
第3局116手72分36秒
第4局119手87分34秒激指
第5局173手169分28秒
第6局224手219分26秒激指
第7局187手264分59秒
第8局88手65分39秒激指

4勝4敗

■極Lv5 vs 激指15の1級
対局名手数消費時間勝者
第1局129手132分24秒激指
第2局151手217分31秒激指
第3局103手99分24秒激指
第4局109手73分24秒激指
第5局94手58分26秒激指
第6局120手106秒46秒激指
第7局103手102分36秒
第8局135手103分58秒

極の2勝6敗

以上の結果から、レベル5は激指15の4級、極研究は激指15の2級と同棋力と考えるのが妥当。

当時の家庭用ゲーム機のソフトとしては最強で、その消費時間(レベル5)も比較的短いのが特徴。

ただ、引分判定については少し変で、その判定は激指よりも1手遅れることが多かったです。

特に連続王手の千日手を反則として認識しておらず、「千日手が成立しました」と澄ましていたのにはやや驚き。

他に、定跡外の局面では同じ手しか指さないようで、優勢な局面でも千日手を回避することもありませんでした。


極の対戦詰将棋


1~15手詰全300題が収録されており、ユーザーは攻め方を持ってCOMを相手に対戦します。解答解説はありません。

作者名は取説にも書かれてないのですが、どうやら岡田敏氏の作品が数多く収録されているようです。

7手詰めまでを解きましたので、参考までに私の回答結果を表にまとめておきます。

私の棋力:将棋倶楽部24の二段、将棋クエスト10分の四段
手数問題数平均時間正解率
1手詰3題8秒100.0%
3手詰10題34秒100.0%
5手詰30題1分40秒100.0%
7手詰61題8分38秒96.7%
9手詰124題--
11手詰54題--
13手詰15題--
15手詰3題--


5手詰までは難しい問題がチラホラ入っているくらいにしか思わなかったのですが、7手詰は過半数が中段玉や入玉形で、明らかに詰パラ系の難しい問題集。有段者向けです。

COMはほとんどの場合、作意通りに逃げるのですが、第102問は駒余りの方に逃げました。どうでもいいことですが、ちゃんと解いた証拠として書いておきます。


極の次の一手


次の一手問題も全300問が収録されています。こちらは解答解説付き。

良問揃いで難度別にまとめられています。

初段クラスまでを解いてみましたので、参考までに私の回答結果を表にまとめておきます。

クラス問題数平均時間正解率
初歩51題1分0秒94.1%
上級55題1分40秒83.6%
初段51題2分50秒68.6%
二段54題--
三段49題--
四段40題--


上級や初段ってこんな問題が解けるほど強かったっけ?と思うような問題も結構ありますが、基本的には良問揃いで、解説も非常に詳しいです。

ここでもちゃんと解いた証として書いておきますが、第118問の正解手は負け筋で、第18問も正解手以外に必至手順があるようです。(※おかしいなと思い、水匠2で確認しました)

細かいことはともかく、全体的には棋力向上に役立つ非常に優れたオマケ機能です。


総評


極と金沢将棋は同じ人が開発しており、ログから発売されたものが極で、それ以外が金沢将棋に統一されているようです。

極は当時の最強ソフトで、そのPC版は将棋雑誌等で頻繁に宣伝されていて、PCを所有していなかった私には、極がとても魅力的な将棋ソフトに見えていたのを覚えています。

当時の将棋ソフトは、強さがそのソフトの価値の大半を占める傾向があり、その点からも極は当時の将棋ソフトの最高峰だった気がします。

オマケの詰将棋と次の一手も各300問ずつとボリューム満点で、当時の将棋ソフトの中では群を抜いての充実ぶり。ただし、それを楽しむには有段の棋力が必要な気はします。

画面は盤駒の画面しかなかったり、飛車と龍王の見分けがつきにくかったり(成駒を赤に設定することで解決できる)と細かい欠点もあるのですが、全体的には良ソフトだと思います。

私がこのソフトで初めて遊んだ当時の棋力は、推定で将棋倶楽部24の12~13級くらいで、時々勝てるくらいの感じだったと記憶してます。詰将棋も次の一手も最初の30問か50問くらいしか解かなかったはずで、当時の棋力では難しい問題に心が折れました。それでもこのソフトが当時の将棋ソフトの中では当たりだという印象があったのは事実。

ところで、このソフトの約1年後に金沢将棋を搭載した「最強羽生将棋(任天堂64)」が発売され、その棋力は100点くらい強くなっていたのですが、当時の将棋AIが1年で100点くらい向上していたことを考えると、将棋ソフトを動かすという意味においては、PlayStationもNINTENDO64もそれほど差はなかったということでしょうか?




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コメント
  • Re:
    2021/04/07 16:32
    極のBGMがどんな感じだったかと聴いてみましたが、確かにこれは和風ではありますが、神秘な世界を彷徨っているような感じで、対局用BGMとは違う気がしますね(汗)私もBGMはOFFにしていたことを思い出しました。

    永世名人2は発売元があのコナミなだけに、BGMやグラフィックは悪くなかったですね。

    次の一手問題に関しては、後半のかなり難しい問題のようですので、いつか機会があったら解いてみたいと思います。
  • 2021/04/06 20:54
    主さんも記事にしている永世名人2、
    駒音・対局中のBGM(最初から設定されているもの)・盤と駒のグラフィック、
    どれもプレステ1の将棋ソフトの中で
    個人的に一番好きです!
    この環境で、
    東大将棋1か2の思考エンジンが搭載されていれば、
    今でも毎日プレイしてると思います!
     
    なかなか極の話ができる人はいませんので、
    極に集録されている次の一手問題の中で、
    個人的に神問題と思ったものを挙げといてみます!
     
    1 → 第261問目
    2 → 第275問目
    3 → 第266問目
     
    良問が多い極の次の一手ですが、
    上記の3問には本当に衝撃を受け、
    検討してみて将棋の深さを感じさせられました!
    また時間のある時にでも
    検討してみてください!
  • Re:
    2021/04/06 10:57
    極(きわめ)は将棋ソフトの傑作ですよね。私も1998年末までに発売されたプレステ1の将棋ソフトは多くを持っていますが、東大将棋と極が最も遊んだ記憶があります。

    互角ぐらいの終盤の局面をレベル5と指し継ぐというのは、終盤力を楽しく強化できそうな上手い活用方法ですね。

    極のみならず、永世名人でのお気に入りの部分のお話まで聞かせて頂き、とても楽しく読ませて頂きました。確かに駒音は極の「コン」という音よりも、永世名人の「ピシーッ」と鳴る音の方が格好良いです。
  • 2021/04/04 22:26
    僕も将棋好きで、プレステ1で結構
    将棋ソフトをプレイした思い出があります!
    このソフトは今でも持っていて、
    たまに対局しています!
    詰将棋や次の一手問題が
    たくさん入っているのも大きな魅力ですが、
    レベル5の中終盤力も
    古いソフトの割にはなかなかありますよね!
    (互角ぐらいの終盤の局面を編集してから
    レベル5と指し合うと、
    結構棋力のある手を打ってきますね)
    ただBGMが暗すぎなので、
    永世名人のようなBGMや駒音で
    このソフトの内容なら、
    神作品だったような気がしますね!

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