
対応機種 | ファミリーコンピュータ |
---|---|
発売元 | セタ |
発売日 | 1985年8月10日 |
棋力 | 激指15の15~16級 |
特記事項 | ファミコン初の将棋ソフト |
目次
本将棋 内藤九段将棋秘伝とは
本将棋 内藤九段将棋秘伝とは、1985年にセタから発売されたファミコン初の将棋ソフト。開発元はランダムハウス。第1回世界コンピュータ将棋選手権に出場しており、2勝3敗で6チーム中4位でした。世界コンピュータ将棋選手権の歴史で、ファミコンで出場したのはのみ。
主な機能
・主な機能はコンピュータとの対局のみ。・平手、飛車落ち、二枚落ちで、先後または上手と下手を選択できる。
・各対局、持ち時間5分の制限を付けることもできる。
・コンピュータ同士の対局や人間同士の対局は出来ない。
・対局中に「まった」をできる。但し、Bボタン連打が必要。
・なお、内藤九段はゲーム内のどこにも登場しません。
本将棋 内藤九段将棋秘伝の棋力
棋力
どのくらいの棋力があるのか、激指15のレーティング戦で対局させてみました。
14級(200点)スタート
※激指15は14級が最弱
項目 | 成績 |
---|---|
対局結果 | 15勝34敗1分 |
最終レート | 52点 |
対激指13級 | 0勝1敗 |
対激指14級 | 15勝33敗1分 |
気付いたこと
上記の検証では「本将棋 内藤九段将棋秘伝」の指し手がワンパターンであるため、同じ棋譜が量産されました。具体的には先後に頻繁に出てくる手順が3つずつほど、他に時々出てくる手順、滅多に出て来ない手順などがあり、どの手順になるのかは激指次第。
ユーザー側の同じ指し手に対しては、「本将棋 内藤九段将棋秘伝」も同じ指し手しか返してきません。ただし、それは初期の将棋AIでは普通のこと。
あと、千日手引分の観念はなく(確認済み)、打ち歩詰め禁止の認識もないらしいです。もっとも、コンピュータ将棋が千日手を認識するようになったのはこのソフトの発売から10年以上先のことではあります。
裏技
コンピュータに15手で勝つ有名な手順があります。制限時間ナシでプレイすることが条件で、手順は下の通り。
将棋盤
0手
率直な感想

私はこのゲームソフトの存在は発売当時から知っていましたが、遊んでみたのはつい最近のことです。
発売から間もない頃におもちゃ屋のショーケースに展示されているのが目に止まったのですが、当時はアーケードゲームの移植モノが人気で、私もそちらの波に乗っかっていて、別のゲームソフトを買ったのは今思えば不覚。
それで、遊んでみての第一印象は、予想以上に着手が速い、予想以上に完成度が高い、そして予想以上に強い?の3つでした。
将棋秘伝の消費時間は中盤までは長くても1手5秒程度、終盤でも10秒程度で、プレステ1や任天堂64の将棋ソフトに比べると、とても速いです。
前述のように将棋秘伝の指し手はワンパターンなので、何度か遊んでいるうちに攻略法がわかってくるのですが、少なくとも初手合いでは噂ほど弱くはないというのが、正直な感想です。
まともに指すと、将棋秘伝は四間飛車+高美濃を目指すので、その形が優れているため、序盤で一気に必勝形にするのは難しいと思います。ただし、中・終盤は評判通りに弱いです。
参考までに、現最強ソフトの水匠2は73手、激指15Pro+2は71手が掛かってました。私は初手合いで65手でした。
なお、原始棒銀は時間制限ナシの方だと普通に炸裂します。そして、1手詰は見えているようですが、2手先は見えてないらしく1手詰の頓死筋を喰らっているのを何度も目撃しました。
このあたり、最近の最強ソフトを無理に弱くしたAIと違って、有段者が驚くような手順を指すなんてことは絶対にないので(有ってもそれはただの偶然)、初心者の練習相手としては適しているように思います。
画面や効果音はレトロそのもので、ファミコン時代を知っている者としては懐かしい気持ちにもなり味わい深いです。
それから、「待った」機能もあるのですが、これがBボタンを連打しないとロボットは待ってくれないという演出が如何にもゲームという感じで、これも非常に良いです。
他にも飛車落ちと二枚落ちでも遊べる設定あったり、制限時間(5分)を付けられたり、制限時間ナシと制限時間アリではコンピュータの指し手が異なったりと、幅広いユーザーに楽しんでもらおうという制作者の配慮が随所に見られます。
将棋ソフトの原型、それを知ることが出来るソフトだと思います。
- 関連記事
-
-
最強東大将棋(PlayStation)
-
本将棋 内藤九段将棋秘伝(FC)
-
対局将棋 極(PlayStation)
-