
対応機種 | PlayStation |
---|---|
発売元 | ソフトバンク |
開発元 | サムシンググッド |
発売日 | 1995年11月22日 |
最高棋力 | 激指15の6級 |
目次
AI将棋とは
AI将棋とはパソコン版AI将棋(1993年発売)を、プレイステーション版として移植したもので、1995年11月にソフトバンクから発売されました。
搭載している思考エンジンは、コンピュータ将棋の世界では有名な山下宏氏のYSS。
山下氏はコンピュータ将棋が初段、高段者へと成長していく時期に、世界コンピュータ将棋選手権で大活躍していた一人。同大会では優勝4回。
しかし、このソフトが発売された頃は、第5回世界コンピュータ将棋選手権(1994年12月開催)の3位が最高で、森田将棋や極ほど知名度は高くなかったように思います。
主な機能

「対局」COMとの対局。レベルは4段階。
「駒落ち」人間、COMのどちらも駒落ち可。
「盤面編集」好きな局面を設定してCOMと対局
「記録」保存した棋譜の再生
「ヘルプ」コントローラー各ボタンの説明
「スペシャル」アートな画面での対局と目隠し将棋
※人間対人間は不可
※棋譜再生はメモリーカードが必要
AI将棋の棋力
AI将棋の棋力
AI将棋の棋力を客観的に確認するため、激指15のレーティング戦で対局させてみました。

6級(1000点)スタート
項目 | 成績 |
---|---|
対局結果 | 25勝23敗2分 |
最終レート | 1012点(6級) |
最高レート | 1064点(5級) |
最高到達 | 43局目 |
対激指5級 | 2勝7敗 |
対激指6級 | 14勝14敗1分 |
対激指7級 | 9勝2敗1分 |
気付いたこと
・初手から4手目までに角道を開けることくらいしか、定跡らしきものを認識しているようには見えませんでした。
・9手詰以内の詰み筋があると、ほとんど詰ますようです。
・千日手の概念はなく、連続王手の千日手(反則)をやってるところも確認しました。
・最強レベルでも着手は速く、序盤は5秒以内、終盤でも稀に1手30秒を越える程度。
・矢倉と穴熊を強いと認識しているらしく、相手が振り飛車だと穴熊に囲い始めます。
総評

私がこのソフトを買ったのは、1996年発売の任天堂64ソフト「最強羽生将棋」よりも後だったように記憶しています。
そのためか、すぐに最強レベルに勝利してゲームクリアとなり、あまり遊んでいないのか、当時の記憶がほとんどありません。
通常の対局以外は、「迷人戦」というのがあり、対局中に背景や盤面の柄が変化したり、駒音が変わったりとアートな演出を楽しめる対局になっています。
「迷人戦」に限らず、グラフィック面でも魅せようとする演出が、デモ画面でもチラホラ出てきます。ハイセンスだと思いますが、集中力を擁する将棋というゲームに、それらがマッチしているのかどうかは謎。
もうひとつオマケ機能として付いている「目隠し戦」の方は、自分の駒は見えていて、相手の駒は文字は見えないのですが、駒の輪郭は見えているので(大きさは全て同じ)、本当の目隠し将棋よりも簡単で、その入門編として使えるのかもしれません。
当時発売されていた他の将棋ソフトと比べて、秀でている部分は着手の速さに尽きます。
最強レベルでも、1局での消費時間は10分前後です。この当時の将棋ソフトは、1局1時間くらい使うものも珍しくなく、指し手は非常に速く感じました。
ただしその分、指し手の強さは、この時期のソフトの中で特別強いわけでもないことも付け加えておきます。
それでも、今となっては初期のAI将棋を知ることが出来る貴重なソフトで、私のような将棋ソフトフリークにとってはそれなりに価値があります。
あと、発売元が「ソフトバンク」となっているので、あのヤフージャパンを運営している会社なのだろうかと思いきや、スタッフロールに「General Producer Masayoshi Son」とあり、少しばかり驚いた次第。
- 関連記事
-
-
将棋レボリューション 激指(Windows)
-
AI将棋(PlayStation)
-
将棋 初段一直線(PC Engine)
-