森田将棋(PlayStation)

将棋ソフト
森田将棋01

対応機種PlayStation
発売元SETA
発売日1997年12月4日
最高棋力激指15の2級【約159分/125手】
特記事項

※【】内は20局行った際の1局における消費時間と手数の平均

目次

森田将棋とは


PlayStation用ソフトとしては、初めて発売された森田将棋。

森田将棋は初期の将棋ソフトでは、強い将棋ソフトの代名詞的存在だった。

世界コンピュータ将棋選手権には1990年の第1回大会から出場しており、1996年1月の第6回大会までは全て3位以上(優勝1回)、1997年2月の第7回大会では4位。


主な機能


森田将棋02
「対局室」COMのレベルは6段階。駒落ちと時間設定も可能。
「研究室」好きな盤面を設定して、COMと指し継ぐことが出来る。
「詰将棋」詰将棋問題を盤面に配置して、COMに解かせることが出来る。
「環境設定」盤駒画像の選択、棋譜読み上げや音楽の有無を設定出来る。

※人同士の対局も可能。COM同士の対局は不可。

森田将棋の棋力


棋力の検証


森田将棋の棋力を客観的に判断するため、激指15と対戦させてみました。

森田将棋の方は最高棋力である「コンピュータL?」で対戦させました。

■対戦結果
対激指15の3級 → 森田将棋の6勝1敗1分【約168分/124手】
対激指15の2級 → 3勝3敗2分【約176分/127手】
対激指15の1級 → 森田将棋の3勝4敗1分【約135分/123手】

※【】内は1局における消費時間と手数の平均、引分局は除外
※対激指15の1級での引分は、激指勝勢での千日手。

上の結果から、森田将棋の指し手の強さは、最強レベルで激指15の2級と同等と見るのが妥当と思われます。


気付いたこと


●13手以下は詰ます?
上記対局で相手玉に13手詰以下の即詰みがある場合は逃しませんでした。15手詰めについては、そういう局面が2度出現しましたが、1度は10分近くを考えて詰ましましたが、もう一つの方は逃してました。13手詰めも2度出現しましたが、1度は比較的短い時間で、もうひとつは10分近く考えて詰ましてました。

●千日手を認識している
この頃の将棋ソフトは、まだ千日手を認識しないものが多かったのですが、この森田将棋は千日手をちゃんと認識していました。

●定跡をある程度認識
定跡手順をある程度は認識しているらしく、10~20手くらいまではノータイム指しでした。

●ガチの居飛車党
森田将棋はガチの居飛車党です。先手番だと初手から▲26歩~▲25歩ばかりでした。しかし、こちらが中飛車に振ると、森田将棋も飛車を振ってました。そしてその時は、何故か左玉の玉飛接近形にするのがお決まり。


総評


森田将棋03

私はこのソフトを1998年頃に購入しているはずですが、遊んだ記憶は皆無というのが包み隠さない正直な話。

タイトル画面にたどり着くまでのポリゴンを駆使した動画は力がこもっているのですが、本編の方ではポリゴンを使ってないような気が・・。

この頃のSETAがポリゴンを使いたかったことは、4ヶ月後に発売された森田将棋64(NINTENDO64ソフト)のオープニング演出でもポリゴンを駆使していたことから知ることは出来ます。

ところで、このソフト、ほとんど対局モードしかありません。他は詰将棋を解かせる機能と盤面編集くらい。

他のソフトは詰将棋や古棋譜、大会モードなどを付けて、差別化を図っているのですが、このソフトにはそういうものが一切ありません。

1990年代前半のスーパーファミコン時代ならば、森田将棋のネームバリューだけで行けたと思いますし、森田将棋が最強ソフトだったならば1997年12月の段階でも対局モードだけで充分だったと思うのですが、この時代の最強ソフトは金沢将棋で、そのことをどこよりも宣伝していたのは実はSETAだったりします。

そういうわけで、当時、すでに最強羽生将棋(思考は金沢将棋)で遊んでいた私は、それよりも明らかに強いというわけでもなく、他に付属機能もないこのソフトに、ほとんど興味を示さなかったのだろうと思います。

今回、20数年ぶりに遊んでみたのですが、最強モードは意外に強いとは思いました。

なにせ、序盤・中盤・終盤の総合棋力は激指15の2級と同等の強さなのだから、弱いはずがありません。(激指15の2級は、たぶん町道場初段くらいの強さ)

ただ、その最強モードは1局に3時間ほどを使うので、実用的ではありません。(それを20局以上やって書いてるこの記事ってスゴイでしょう?)

実際に対局してみた私の感覚だと、中盤くらいまでは隙が少ないようには思いました。

したがって、中盤が長い将棋をやってしまうと、コンピュータの消費時間もとても長くなるため、序盤からすぐに終盤になる超急戦をやるのが、1~2時間程度で許してもらえる私の中での攻略法です。(終盤は詰みには強いですが、それ以外は大したことないので、攻め倒せば問題なし)

レベル3やレベル4で遊べば、コンピュータもそれほど時間を使わないし、強さもそこそこなので、将棋倶楽部24の10級や、将棋クエストの初段を目指している人には、良い練習相手になるかもしれません。

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