第71回NHK杯出場女流棋士決定戦の感想

プロ棋戦
大盤解説

3月28日に第71回NHK杯出場女流棋士決定戦(里見香奈女流四冠vs西山朋佳女流三冠)が放送されました。

目次

感想


里見女流四冠と西山女流三冠の対局をテレビで観ることができるのはすごい。

とても楽しみにしていた一局。

戦型は予想された通り、相振り飛車。西山女流三冠が先手。

両者は振り飛車党であることから、相振り飛車になるか、里見女流四冠が居飛車で対抗形にするかのほとんど二択だとは思っていました。

ただ、二択といっても飛車をどこに振るかはわからないので、そこが最初の見どころ。

なんと、西山女流三冠は初手▲56歩からの中飛車でした。

西山女流三冠も中飛車を得意としていることは知ってましたが、相手は振り飛車の時は中飛車をあまりやって来ないイメージだったので、その出だしにはやや驚きがあった次第。

里見女流四冠の方は一旦、向かい飛車に振った後に中飛車に振り直し、中盤戦は相中飛車の形。

中盤は西山女流三冠が得意の端攻めで猛攻を仕掛けたものの、里見女流四冠がその攻撃を巧く交わし、里見女流四冠が優勢とも言える局面を築いていました。

しかし、西山女流三冠の終盤における守備力は異常に高く、その先手陣はみるみるうちに元の陣形よりも遥かに堅い要塞へと化し、且つ相手の攻めの主力である飛車や角への圧迫も厳しく、いつの間にか逆転模様。

最後は里見女流四冠が龍切りから詰むや詰まざるやの勝負に出ましたが、際どく詰まず、125手で西山女流三冠の勝利。

凄まじい逆転劇でした。振り飛車を好きな者にとっては、中盤の戦い方はこの上なく見応えがありましたし、終盤の逆転劇も非常に面白かったです。

ところで、本局では形勢判断に将棋AIが用いられていました。あのパーセンテージが何の確率を表すものなのかは未だに謎で、それをNHKがまるで勝利確率のように表示することには違和感があった次第。

どうしても将棋AIを起用したいのならば、パーセンテージではなく、激指方式の互角、有利、優勢、勝勢(しかもプロの判断に近い形)で表示するの方が良いと思います。


AIの形勢判断


第71回NHK杯出場女流棋士決定戦
※青色はGPSfish、赤色は水匠3
※AIの判断が正しいわけではありません。


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コメント
  • 2021/04/04 01:47
    >あのパーセンテージが何の確率を表すものなのかは未だに謎で、それをNHKがまるで勝利確率のように表示することには違和感があった次第。

    人間的に違和感があるのは確かですが、謎ではないと思いますよ。
    単にその評価しているAI同士がその局面から指し継いだときの勝敗確率では。
  • Re:
    2021/04/04 09:33
    > 人間的に違和感があるのは確かですが、謎ではないと思いますよ。
    > 単にその評価しているAI同士がその局面から指し継いだときの勝敗確率では。

    やっぱり、そう信じている人が結構いらっしゃるんですね。
    あれは単に評価値○点を評価値1%で換算しているだけだと思われます。
    例えば60%は、今のやねうらシリーズだと評価値500点くらいで、その局面をそのAI同士が指し継ぐと、もっと遥かに高い確率で有利な方が勝つでしょう。
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