第71回NHK杯(日浦八段vs池永四段)の感想

プロ棋戦
大盤解説

4月4日に第71回NHK杯1回戦(日浦市郎八段vs池永天志四段)が放送されました。

棋譜:NHK杯(公式サイト)
(※毎週、月曜日に更新されています)

目次

感想


日浦八段の著書が優れているのは知っていますが、その対局姿は記憶に少なく、最近売り出し中の棋士である池永四段を相手にどのような将棋を指すのか、個人的には興味深かった一局。

戦型は日浦八段が先手の矢倉。盤上は日浦八段の昔ながらの矢倉と、池永四段の新式の矢倉が五段目の最前線を境に睨み合う形となりました。

中盤は日浦八段攻勢で、普通は反動が大きい故に勝っている方がやるような手ではない旨が解説されていた67手▲53銀打も、それがコンピュータ好みの一手だったらしく、今年度から導入された将棋AIの形勢判断はさらに日浦八段寄りになっていました。

素人はコンピュータがはじき出すパーセンテージを信じて、そろそろ終局になるのだろうと思っていたのですが、局面はその数字が示すほど短絡的且つ楽観的なものではなく、あれよあれという間にその数値は互角へと向かい、池永四段の玉は中段の捕まえるのが無理そうな形になるし、反撃のターンまで回ってきて、もはや逆転ムードにしか見えなかった終盤戦。

しかし、日浦八段は自陣に手を入れ絶対に詰まない形にする「Zの法則」を実践すると、95手▲37桂打と洒落た毒饅頭(△同飛成ならば▲55角打の王手飛車)が攻めの足掛かりとなり、最後は長手数の詰み筋を解図して「投了の真相」をも実践。

本戦最年長の日浦八段が若くて勢いのある池永四段に勝ち切った姿には勇気を頂いた次第。

畠山鎮先生の解説も新旧及びCOMとプロとの考え方の違いが分かりやすくておもしろかったです。


AIの形勢判断


第71回NHK杯1回戦第1局
※青色はGPSfish、赤色は水匠3
※AIの判断が正しいわけではありません。

トーナメント表


第71回NHK杯20210404


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コメント
  • 2021/04/06 01:30
    お疲れ様です。
    後手の急戦矢倉は前のめり気味で、アマ的には守りに回ったときが難しそうです。
    先手は角を右翼に展開してさばいたのが奏功した様に思いました。

    確かに67手目の▲5三銀は露骨にみえました。その後の71手目の▲7四金は、持ち駒がなくなる中、貴重な金を7四に使って遊び駒にならないかと心配しましたが、最後は詰めに利いてきましたね。
  • Re:
    2021/04/06 11:21
    振り飛車の私はコメント前半を興味深く読ませて頂きました。

    74金はた慥かに最後の最後でまさかの退路封鎖になっていましたね。
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