羽生名人のおもしろ将棋(SFC)

将棋ソフト
対応機種スーパーファミコン
発売元トミー
発売日1995年3月31日
最高棋力激指15の6級【85分/127手】
特記事項・思考開発は山下宏氏
・羽生名人の24棋譜を解説付きで収録

※【】内は15局行った際の1局における消費時間と手数の平均

目次

羽生名人のおもしろ将棋とは


羽生名人のおもしろ将棋とは、1995年3月にトミーから発売されたスーパーファミコン用の将棋ソフトで、羽生名人の名を冠した初めての将棋ソフト。羽生名人は当時、名人を含む六冠王でした。

通常の対局モードと、解説付きの羽生名人の棋譜(24棋譜)のほか、おもしろ将棋として「衝立将棋」「地雷将棋」「将棋大戦略」「お面将棋」で遊ぶことができます。

思考エンジンの開発は、YSSで知られる山下宏氏。YSSは1994年12月の世界コンピュータ将棋選手権では3位でした。(1位は金沢将棋、2位は森田将棋)


主な機能


おもしろ将棋2

「将棋対局」COMのレベルは四段階。駒落ちも可。
「おもしろ将棋」衝立将棋、地雷将棋、将棋大戦略、お面将棋で遊ぶことが出来る。
「名勝負回顧録」羽生名人が選んだ名局24棋譜を解説付きで収録。
「対局時計」リアルの盤駒で遊ぶ際も対局時計として使うことが出来るらしい。
「対局再開」セーブしておいた指し掛けの対局を再開することが出来る。

※COMの持ち時間はレベルにより固定。ユーザー側は5種類の持ち時間に設定可。

羽生名人のおもしろ将棋の棋力


棋力の検証


羽生名人のおもしろ将棋の棋力を客観的に判断するため、激指15と対戦させてみました。

羽生名人のおもしろ将棋の方は最高棋力である「上級」で対戦させました。

対戦結果
対激指15の5級 → おもしろ将棋の2勝6敗【約82分/125手】
対激指15の6級 → おもしろ将棋の5勝2敗1分【約87分/129手】


時間面での最長は194分37秒(184手)、最短は21分18秒(78手)

※【】内は1局における消費時間と手数の平均。引分局は除外。


上記の結果より、羽生名人のおもしろ将棋上級は、激指15の6級相当の棋力と考えるのが妥当。

8ヶ月後に発売されたプレステ用の将棋ソフト「AI将棋」も激指15の6級相当で(1局30分以下しか使わない)、発売時期やハードの性能を考慮すると、上記検証での推定は状況に極めて合致しているように思います。

なお、おもしろ将棋の棋力検証の際は、本体はレトロフリークを使っています。


気付いたこと


●11手詰め以下を即詰ますことも多いが・・
11手詰め以下を詰ます確率が非常に高い一方で、9手詰めを見落とすこともありました。
また、9手詰めも9手で詰ますのではなく、十数手を掛けて、つまり随分と遠回りして詰ますことが多かったです。13手詰めは偶然でないと詰まさないようです。

●定跡は初手で角道を開けることのみ
COMが先手番なら初手▲76歩、後手番ならば2手目△34歩、コンピュータが序盤で即指しするのはそれだけ。あとは自力で考えだしますので、レベルを変えない限り、ユーザーが同じ手順を指し続けると、コンピュータも同じ手を返してくるようです。

●千日手判定有り
千日手を認識できるようです。ただし、激指15に比べると引分になるのが2手遅かったです。


おもしろ将棋について


このソフトの売りのひとつが、通常の対局以外で遊ぶおもしろ将棋。

4種類あるので、内容と寸評をひとつひとつ書いておきます。

●衝立将棋
要は目隠し将棋と似ていて、自分の駒は見えるのですが、相手の駒は移動する時だけ元の位置と移動した先がチラッと見えます。何を指したかの棋譜表示も直前の分だけ確認することは出来ます。

独特の駒組みをする将棋ソフトだけに、数十手進行すると、相手の駒はどこに何があるのかわからならなくなります。将棋の実力以外に、記憶力が問われるとても難しいゲーム。


●地雷将棋
自陣三段目以内に地雷を3つ仕掛けることが出来て、相手の駒がそこに着地すると爆発して、その駒がこちらの駒になります。自分の地雷は自分の駒には反応しません。

これを子供が喜ぶのかどうか。私は大人なのでわかりません。私は特に面白いとは思いませんでした。


●将棋大戦略
自陣四段目までと駒台に、自分の駒を好きなように配置することが出来ます。COMも好きなように配置した状態で、対局が始まります。

おもしろいと言えないことも無いのですが、将棋はやっぱり、開始局面から1手1手交互に指して、序盤戦術を練るのも醍醐味であることを再確認してしまいました。

●お面将棋
成駒がお面に変わり、何の駒が成ったものかがわからなくなります。

上の衝立将棋を超初心者向けにしたようなもの?成駒だけが何かわからないようになっただけで、さすがにその程度だと、何の駒だったかくらいは私でも覚えておくことは出来ます。成駒がお面になるのを初めて見た時はおもしろかったです。


名勝負回顧録について


羽生名人が撰んだ羽生名人の名勝負24局が収録されていて、ポイントとなる局面を羽生名人が解説しています。

これは将棋を好きな度合いが高い人ほど、嬉しい代物。古い棋譜ですが、羽生名人の初期の棋譜を解説付きで鑑賞することが出来ます。

NINTENDO64の「最強羽生将棋」にも膨大な数の羽生名人の棋譜が収録されていましたが、あちらは誰が解説したのかよくわからなかったのに対し、こちらはどうやら羽生名人が解説しているらしく(解説の主語が「私」になっている)、棋譜の数はそれほど多くはないのですが、ファンに与える満足度はとても高いと言えます。

また、1つの棋譜に3つほど3択の次の一手問題があり、不正解の選択肢を選んでも、何故駄目なのかが解説されている優れもの。

難点がひとつだけあって、次の一手問題の際は盤面3分の1を消してしまう解説ウィンドウを一時的に消すことは出来るのですが、通常解説の時はそれが出来ないため、解説内容を盤面で確認しづらかったりします。

あの伝説の52銀打(NHK杯、対加藤九段戦)も収録されています。余計なことをツッコんでしまうと、「羽生名人のおもしろ将棋」なのに、名人戦の棋譜が1局も収録されていなかったのは不思議でした。


総評


おもしろ将棋3

私はこのゲームで初めて遊んだのは、つい最近のことです。

スーパーファミコン最強とレビューしている人も居て、どのくらいの棋力があるのかを楽しみにしていました。

当然ながら真っ先に最強レベルと対局したわけですが、期待に違わぬ、否期待以上に強いと思いました。

これは各ユーザーの得意戦法によって印象が変わるところだと思いますが、おもしろ将棋は中飛車に対しては、中盤はそれなりに対応してきます。

初手合いだと、将棋倶楽部24の10級、将棋クエスト10分の初段くらいはありそうな感じです。ただし、激指との対戦を眺めていると、終盤がかなり弱い。

終盤でも駒得重視と言いますか、相手玉とは真反対の場所に歩を打ってと金づくりに精を出したりしますので、勝勢をひっくり返されているのも何度か見ました。

当時の将棋ソフトにはありがちなので、仕方のないことですが、それはともかく、スーパーファミコン用の将棋ソフトとしてはよく頑張った強さだと思います。

一方で、原始棒銀はレベル「入門」でも通用しませんし、初心者お断りのソフトだとするレビューを見たこともあり、初心者向けではないようです。

確かに私も「入門」を相手に遊んだ時、一度だけ銀をタダ捨てしたこともありましたが、「上級」とそれほど変わらないと思いながら指してました。

難点はレベル「上級」の考慮時間が長いことですが、レトロフリークのオーバークロック機能を使うと、約4分の1に短縮することが出来ます。

実際にオーバークロック4倍で試してみたのですが、コンピュータの指し手は全く同じでしたし、ゲーム内に表示されるコンピュータの消費時間も、オーバークロック機能を使わない時と全く同じでした。

おもしろ将棋の4つのモードは衝立将棋以外、あんまりおもしろいとも思わず、はさみ将棋やまわり将棋を入れた方が良かったんじゃないかと思ったのは本音。

通常対局と名勝負回顧録に関しては、この時期の将棋ソフトとしては最高峰に近い出来で、グラフィックも頑張っている方だと思います。清々しいオープニングBGMは聴いていると何だか優雅な気分になり、羽生名人を冠するにふさわしいタイトル画面だと思いました。



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