
対応機種 | PlayStation2 |
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発売元 | マイナビ |
発売日 | 2005年4月14日 |
最高棋力 | 激指15の二段【22分/121手】 |
特記事項 | ・COMが詰将棋問題を作る ・4人の女流棋士による棋譜読み上げ |
※【】内は32局行った際の1局における消費時間と手数の平均
目次
最強東大将棋スペシャルⅡとは
引用元:マイナビホームページ週刊将棋の特別企画でA級棋士の鈴木大介八段を飛車落ちで破った思考エンジンに改良を重ねた最新版です。定跡は160万手搭載。機能は「対局」と「詰将棋」に絞りました。今作では4人の女流棋士が登場し、対局を盛り上げます。コンピュータのレべルは10級から四段までの9段階。「詰め将棋マシンに挑戦」コーナーでは、コンピュータが作成する問題にチャレンジできます。
主な機能

「対局」COMの強さだけを設定できる対局。COMの強さは10級~四段までの10段階。
「設定対局」COMの強さ以外に、先後、持ち時間、手合い割などを設定して対局できる。
「女流棋士に挑戦」4人の女流棋士に平手や駒落ちなどで七番勝負を挑むことが出来る。
「詰将棋解答」詰将棋問題を盤上に並べてCOMに解いてもらうことが出来る。
「詰将棋マシンに挑戦」COMが作る詰将棋問題10問を解き、その結果により点数が出る。
「棋譜/盤面編集」保存した棋譜を読み込んだり、好きな局面を編集することが出来る。
「環境設定」BGMや読み上げの有無、盤駒の種類などを設定できる。
「システム」環境設定や女流棋士に挑戦、詰将棋マシンに挑戦などの結果を保存する。
※上記以外にも検討モードと棋譜解析機能が付いているようです。
※登場する女流棋士は、千葉涼子女流三段、安食総子女流初段、島井咲緒里女流初段、鈴木環奈女流1級。
最強東大将棋スペシャルⅡの棋力
棋力の検証
私が最強東大将棋スペシャルⅡのことを強いとか、強くないとか言っても、私以外の人には通じませんので、客観性を重視して、その最強レベル(四段)と激指15とを対戦させてみました。
対激指15の初段+ → 東大将棋の7勝1敗【約18分/115手】
対激指15の二段 → 東大将棋の4勝4敗【約23分/123手】
対激指15の二段+ → 東大将棋の3勝5敗【約20分/110手】
対激指15の三段 → 東大将棋の0勝8敗【約28分/135手】
※時間面での最長は34分35秒(197手)、最短は8分53秒(78手)
上記の対戦結果から判断すると、最強東大将棋スペシャルⅡの四段は、激指15の二段相当の棋力と考えるのが妥当のように思われます。
二段+でも良さそうですが、三段との対戦で1勝も出来なかったので二段としました。
気付いたこと
●定跡手順をそれなりに知っている
160万手定跡を謳うだけあって、2005年当時の定跡をかなり熟知しています。此方が中飛車で戦っても、COM側には数パターンの対応策ありました。少なくとも、余程特殊なことをやらない限りはワンパターンでの攻略は無理そうです。
●詰将棋力はかなり高い
こちらに十手台の詰み筋があると、1秒も掛からずに見つけてきます。今回の検証ではに十手台の詰み筋しか出現しませんでしたので、どのくらいを解けるのかは不明ですが、詰みに関しては高段以上の棋力があります。詰将棋問題を解く場合は、形によっては100手以上も詰ますことがチュートリアルに書かれていました。
●定跡外になるとおかしな指し方もやる
定跡手順から外れると、例えば舟囲いに組んだはずの金銀を元の位置に戻すなど、昔のコンピュータにありがちな奇怪な行動も時折見られます。
●COMの思考時間は最長でも1手40秒
COMの思考時間はどんなに長くとも1手40秒と決まっているようです。それをオーバーしたのは見たことがありませんでした。なお、「女流棋士に挑戦」での最強である千葉女流三段は、持ち時間15分が残っている時は1手30秒以上を考えることもあるようですが、それを使い切ると必ず1手30秒以内に指し、10回の考慮時間を使ったのは見ませんでした。
●先読み機能が付いている模様
ユーザーが考えている時はコンピュータも指し手を予想して次の手を読み進める、いわゆる先読みをやっているようです。終盤でコンピュータが少考しがちになっている時も、こちらが時間を使って指した直後は、即指しすることが多々ありました。
詰将棋マシンに挑戦
東大将棋がその場で作る詰将棋全10題に挑戦するモード。ユーザーが攻め方を動かし、COMが玉方を動かす対戦詰将棋形式。
各問題は正解すると得点となり、全10題の回答結果によって、ユーザーの総得点が決まります。
簡単な問題は正解しても得点は低く、難しい問題は大量得点獲得のチャンス。ただし、簡単な問題が出てくるのか、難しい問題が出てくるのかは完全にランダム。今のところ、まだ100題くらいしか解いてないのですが、同じ問題というのは見てません。
それで、昔のテレビゲームのように最高得点をたたき出すと、一旦保存しておけばデータをリセットしない限りハイスコアとしてずっと残るわけですが、これが詰将棋の実力以外にも運の要素が非常に高い。
私はまだ4600点くらいしか出してないのですが、その時は10問中8問正解で、次にやった時は全問正解だったにもかかわらず3000点ちょっとの点数しか出ませんでした。
出題される詰将棋は、駒余りや余詰めがお構いなしの、とにかく詰ますことが出来たら良いというルール。
コンピュータが作る問題の傾向としては、持ち駒を打ちまくる問題が多く、とき―どき、捨て駒からの巧い手順もあったりします。
形は大抵、芸術作品とはかけ離れていて、入玉形が出てくることも頻繁。反面、芸術的な形がほとんどない分、その方が実戦練習としては役に立つ気はします。
この記事を書く直前にやった時は、最後の問題を正解すると全問正解で最高得点と云う状況となり、13手で詰むはずのものをこちらが変な手順を入力するものだから、それでも詰んでいたのかどうかはよくわかりませんが、19手を指したところでCOMの野郎がフリーズしやがりました。
私のPS2がオンボロなのか、中古ディスクがオンボロなのか、単に私がツイてないヤローだったのか、判然としないのですが、しばらくはその状況を受け入れられず、途方に暮れていた次第。
なんにしても、この機能はズバリ、おもしろいです。毎日何時間も遊びたくなるという程のものではないのですが、たまーに思い出しては1時間ばかり熱中できる、そういう類のおもしろさはあります。
今のところ、仕様なのか、偶然なのか、15手詰め以上は見たことがありません。
総評

結論から書きますと、PS2版の柿木将棋Ⅳ、光速谷川将棋といった良ソフトと比較しても、この最強東大将棋スペシャルⅡの方が将棋ファンを満足させるソフトのような気がします。
将棋ソフトの場合、ユーザーよりも強くて、指し手も速いことが良ソフトの条件となるはずで、上記3つのソフトの中で最も強くて、最も指し手も速いのがこの最強東大将棋スペシャルⅡなのです。
付属機能も斬新で、コンピュータがその場で詰将棋を作って、点数まで決めるという優れもの。コンピュータが作り出す詰将棋は、大抵は余詰め有り、駒余り有りなので芸術的価値はないのですが、実戦に強くなるための問題集としては、むしろこちらの方が良いもしれません。
もう一つの付属機能「女流棋士に挑戦」の方は、七番勝負に勝つとクリアみたいな感じになるので、長く遊べるかどうかはユーザーの棋力次第ですが、対局中に小窓に表示されている女流棋士の表情が形勢によって変化したり、七番勝負に勝つと「なんじゃ、こりゃあ?」と言いたくなるような色紙が見れるようになったりと、ユーザーを喜ばせる工夫は施されていると思います。(色紙の内容は勝利してのお楽しみ)
ところで、棋力の方はPS2の将棋ソフトの中では強い方だと思いますが、その最高レベルには私でも本気でやれば10回中8回以上は勝てそうで、それを四段とするのは少し盛っている気がします。
四段というのは本来、アマの将棋大会で地区優勝をした人に贈られる段位で、そういう人が最強東大将棋スペシャルⅡの四段と対局すると、30回中29回以上を勝つのだろうと思います。
しかし、詰みの有無を見つけることに関しては千里眼で、コンピュータを相手にカッコつけてギリギリの勝負を挑むと、あ~~ら大変、コンピュータの0秒指しが始まった時は自玉はすでに詰んでいる!
東大将棋はもともと詰みに強いことが有名で、プレステ2のソフトであっても詰む・詰まないに関してはプロ級ではないでしょうか。少なくとも17手詰め以下は一瞬で見つけてくることを確認しました。
反面、中盤までは定跡外になると大したことなく、終盤入り口までに「一方的に」攻め込み必勝形にしておくことがオーソドックスな攻略法。
そうは言っても、勝てることがわかると、目的が勝つことから練習することに変わるので、危険な変化にわざわざ飛び込んで、詰むや詰まざるやの変化になって、1手指すたびにコンピュータが0秒指しをやらないのを見て、胸を撫で下ろしながら次の一手を考えるのがおもしろかったりはします。
さて、最初に書いたようにPS2の将棋ソフトとしては、柿木将棋Ⅳや光速谷川将棋といった優良ソフトと比べても、最強東大将棋スペシャルⅡの方が優っているとは思います。
しかし、このソフトよりも前に発売されたWINDOWS版の東大将棋6と比べると、優っている部分は女流棋士が2人から4人に増えていることと、比較的どうでも良いBGMが付いていることくらいでしょうか。棋力はWINDOWS版東大将棋6の方が少しだけ上です。(まあ、鈴木女流1級と島井女流初段が加わっていることこそが最重要だと考えるユーザーや、プレステ版東大将棋のBGMを聞きたいという人も居るのかもしれませんけど)
このあたりはソフトを動かすマシンパワーの差なのか、それとも値段の差に起因するものなのか。
それはともかく、この最強東大将棋スペシャルⅡは廉価版が1500円台で売られていた時期もあったらしく、これよりも高いコストパフォーマンスを実現した将棋ソフトは古往今来あったのだろうか?と思わせるくらいの良作ではあります。
最後に、私が遊んだのは廉価版の方であることも書いておきます。(売値以外に違いはあるのかな?)
マイコミBEST 最強 東大将棋スペシャルII
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