
対応機種 | Windows |
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発売元 | MYCOM(現 マイナビ) |
発売日 | 2002年3月29日 |
最高棋力 | 激指15の二段【早指し】 |
特記事項 | ・所司和晴六段(当時)による振り飛車講座を収録 ・棋譜読み上げは碓井涼子女流二段と安食総子女流2級 |
※棋力は激指15のR戦50局から判定
目次
東大将棋振り飛車道場とは
引用元:本製品パッケージ裏面「東大将棋 振り飛車道場」は将棋ソフトの最高峰「東大将棋」シリーズの最新作です。また定跡講座に力を入れた「道場シリーズ」としては「四間飛車道場」、「矢倉道場」に次いで第三弾となります。定跡伝道師こと、所司和晴六段が渾身の力をこめた研究の数々が講座として初公開されます。また思考エンジンはシリーズおなじみの世界最強バージョンを搭載してますが、本作は前作「最強 東大将棋4」にさらなる改良を重ね、特に居飛車対振り飛車の戦いを強化しました。定跡も100万手に増加させましたし、コンピュータ同士の対局も可能にしました。コンピュータ将棋の最高峰の実力を是非お試しください。
なお、上記は2002年当時の話であることを念のため書いておきます。
主な機能

「振り飛車講座」盤面を使っての定跡講座。指し手の意味をコメントウィンドウで解説。
「振り飛車道場」講座に出てくる基本局面をコンピュータと指し継ぐ。
「段級位戦」一定の対局条件で勝つことで段級位が認定される。
「フリー対局」COMのレベルは よちよち~マスターまでの六段階。時間設定と駒落ちも可。
「棋譜解析」詰みの有無をCOMが解析してくれる。
「編集詰将棋」盤面に詰将棋の問題図を並べてCOMに解かせることが出来る。
東大将棋振り飛車道場の棋力
激指15のレート戦で対局させることで、東大将棋振り飛車道場の棋力を測定してみました。東大将棋振り飛車道場側は最強のマスターに設定しました。
初段(1600点)スタート

最終レート 1783点(二段)
最高レート 1893点(二段+ 31局目で到達)
対二段+ → 6勝8敗(勝率0.429)
対二段 → 7勝11敗(勝率0.389)
対初段+ → 11勝0敗(勝率1.000)
対初段 → 7勝0敗(勝率1.000)
二段以上のレートで推移したのは50局中38局(うち二段+は6局)
以上の結果から、二段に負け越してはいますが、初段+には11戦全勝であったり、二段+ともいい勝負になっていることなどから判断すると、東大将棋振り飛車道場マスターの棋力は激指15の二段相当とするのが妥当だと思います。
総評

私がこのソフトを買った頃は将棋倶楽部24で10級でした。
当時の最強ソフトに、動く盤面を使っての定跡講座が入っているなんて、絶対に強くなれそうな、すごく良い物に思え、パソコンショップで迷わず1万数千円で買いました。
実際に使ってみたところ、数回の対局でコンピュータには絶対に勝てないことを悟り、講座の方は定跡書を読むのと然程変わりはなく、そもそも当時の棋力ではネットでの対戦相手もこちらも定跡通りには指せないので、講座で得た知識を活かせる場は無く、そういうわけで、ほとんど使うことがなかったというのが、ありのままの話。
このソフトで遊ぶようになったのは、将棋倶楽部24で初段(大抵の町道場で三段格で通用すると思われる棋力)を突破してからです。
その棋力になって、たまたま遊んでみたところ、勝てることが分かりました。勝つと楽しいので、少しは扱うようになり、「段級位戦」というモードで遊んだところが、すぐに六段を認定されました。
四段、五段と認定された時は嬉しい気持ちもありましたが、六段の時は嬉しい反面、さすがに持ち上げ過ぎのような気もした次第。
段級位戦の六段は、チャレンジ回数の制限無しで、5分切れ負けの対局を先後で1回ずつ勝てば良いので、将棋倶楽部24で最高初段くらいの棋力があれば、誰でもクリア可能だと思います。
このソフトのメインである「振り飛車講座」や「振り飛車道場」についてですが、購入から約20年が経った今、「振り飛車道場」の方は今回遊んでみて、ようやく、そのおもしろさに少しだけ気付きました。
購入当初は中飛車を覚えようと「振り飛車講座」で遊んでみたのですが、中飛車良しになる変化がほとんど無く、せいぜい互角や形勢不明なので、ボルテージが上がらず、ほんの少し遊んだだけで、すぐにほっぽり出しました。
ちなみに講座の方は半分が四間飛車で、残り半分は他の振り飛車という構成になっており、これは当時の流行を反映しています。当時は四間飛車全盛で、他の振り飛車はレアでした。
「振り飛車講座」については今も大して変わらない感想ですが、「振り飛車道場」についてはひょっとすると面白いのではないかと思いました。

講座の途中図をコンピュータと指し継ぐ、いわば指定局面戦となっているのですが、それぞれの局面での勝敗・最短手数・最短時間が自動的に保存されて成績表となり、それを見て自分の戦績を振り返ることが出来る為、次は頑張ろうとやる気が湧いてきます。

とは言っても、このモードでのコンピュータは最弱の初級でも結構強いので、道場で初段格を認められるくらいはないと、勝ち切るのは厳しいかもしれません。だから、級位の頃は遊ばなかったのかもしれません。
私の場合、中飛車を得意としていますが、中飛車でも指さない形はどう指せば良いのかをほとんど知らないわけで、振り飛車道場でその知らない形を何回も指してみることで、新境地を開拓できそうな気がしました。
しかも、振り飛車側、居飛車側のどちらでも好きな方を持つことが出来る親切設定になっており、これもまた感動しました。
定跡は20年近く前のものなので、当然ながら古いのですが、私程度の棋力だと、中飛車に関しては今流行りのゴキゲン対策である超速が無いこと以外は、ほとんど気になりません。
むしろ、ほとんど絶滅しているツノ銀中飛車や風車の講座や指定局面戦が入っていて、その解説があることにありがたいと思ったくらいです。
まとめますと、このソフトは明らかに有段者向けのソフトで、使い方によっては振り飛車を学ぶ優れた教材だったのだと思いました。
今となっては定跡講座及びコンピュータの棋力が格段にパワーアップしたものがマイナビから「激指定跡道場」の名で続々と発売されているのですが、当時としては、有段の棋力を持っていたのならば魅力的な将棋ソフトだったのだろうと思います。
東大将棋振り飛車道場と対戦
最後に、私が東大将棋振り飛車道場のマスターと対局した棋譜を掲載しておきます。
▲わたし
△振り飛車道場マスター
△振り飛車道場マスター
将棋盤
0手
時間無制限なら3回やって2回は勝てます。
(当方、将棋倶楽部24の二段、将棋クエスト10分の四段)
東大将棋 振り飛車道場
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