
対応機種 | WINDOWS |
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発売元 | 毎日コミュニケーションズ |
発売日 | 2008年9月26日 |
最高棋力 | 激指15の五段【早指し】 |
特記事項 | ・棋譜読み上げは鈴木環奈女流 ・開発版は朝日アマ名人に勝利 ・IS将棋の棚瀬寧氏が一から作り直したプログラム |
※最高棋力は激指15レーティング戦50局の結果
目次
新東大将棋無双とは
引用元:本製品パッケージ裏面「東大将棋」シリーズは1998年の発売以来、世界コンピュータ将棋選手権優勝4回の実績を誇り、多くの将棋ファンに愛されてきましたが、このほど3年ぶりに「新・東大将棋」として生まれ変わりました。作者は甜菜プログラマー、棚瀬寧氏。第18回世界コンピュータ将棋選手権エキシビションマッチではアマトップの加藤幸男氏に完勝。現在プロ棋士に最も近い実力を持つ将棋ソフトとして注目を浴びています。
主な機能
【対局】COMの棋力は五段+++から20級までの20段階
【検討モード】任意の局面を新東大将棋で検討させることができる
【詰将棋】任意の局面で詰みの有無を確認できる
【棋譜解析】棋譜(kif、CSA)を読み込み、解析することができる
新東大将棋無双の棋力
新東大将棋無双の最高棋力である五段+++が、激指15の何段に相当するのか、激指15のレーティング戦で対戦させてみました。
四段(2200点スタート)

最終レート 2397点(五段)
最高レート 2421点(五段 23局目で到達)
vs五段+ 0勝5敗0分(勝率0.000)
vs五段 10勝9敗0分(勝率0.526)
vs四段+ 17勝5敗0分(勝率0.773)
vs四段 4勝0敗0分(勝率1.000)
この結果から考えて、新東大将棋無双の五段+++は激指15の五段相当と考えるのが妥当だと思われます。
気付いたこととして、新東大将棋無双は終盤になると、特に敗勢になると長考に沈む傾向がありました。
総評

新東大将棋無双は、2008年5月の第18回世界コンピュータ将棋選手権で準優勝だった棚瀬将棋を商品化したものです。
元となっている棚瀬将棋は準優勝ソフトでしたが、その大会での唯一の黒星は優勝した激指を相手に勝ちになっている対局を開発者の設定ミスで時間切れ負けになったというエピソードがあり、当時の最強将棋ソフトと考える人も居るくらいでした。
当時の将棋ソフトは今よりも「最強」という点に価値があり、また、今と違ってBonanza以外の強い将棋ソフトは商品化されたものを購入する以外の方法はなかったので、この新東大将棋の発売には期待していたことを覚えています。
それにしても、検討モードと棋譜解析はありましたが、レーティング戦や問題集などのオマケが一切なかったのは強気。
購入して早速、前年に発売されていた激指7と対戦させてみたところ、強さは大して変わらない。もちろん、将棋倶楽部24で1~2級だった私にとっては強過ぎて練習相手にはなりません。あと、新東大将棋無双の10級がなかなか強くて、史上最強の将棋10級だったのではないかと思ったりもしました。
残る検討モードや棋譜解析の方ですが、激指7のそれの方が見栄えも良かったりして、結局のところ、激指7を持っていた当時・将棋倶楽部24の1~2級だった私にとっては、東大将棋無双を扱う時間は少なかったように記憶しています。
しかし、今見直すと朝日アマ名人と1勝1敗で指し分けているというのは大きな魅力となっており、これに関しては強過ぎてはダメで、指し分けているからこそアマトップの強さがおぼろげに見えてくるわけで、その点は優れた商品価値だったのではないかと思います。(厳密には、開発版の棚瀬将棋が指し分けですが、たぶん棋力的には似たようなもの)
もうひとつ、今見直しておもしろいと思ったのは、パッケージ表に「プロが恐れる最強ソフト誕生」とデカデカと書かれてあったり、裏側には開発者談として「人間相手ならもう負けないと思った」とあったりと、コンピュータ将棋がプロレベルに達するのはもう少し後のことで、少しフライング気味ではないかと笑みもこぼれてしまった次第。
その一方で、最強レベルを五段+++としており、どうしても六段にできない理由があったのだろうと、それもまたおもしろかったです。
今となっては、次の新東大将棋無双Ⅱが棚瀬氏の将棋プログラムとしては最終作となっており、アマトップと指し分けた棚瀬将棋の商品版を押さえておいたのは正解だったと思っています。
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