
対応機種 | Windows |
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開発者 | 保木邦仁 氏 |
公開日 | 2006年5月19日 |
棋力(1手10秒) | 激指15の四段【早指し】 |
特記事項 | ・第16回世界コンピュータ将棋選手権優勝 |
※棋力は激指15レーティング戦50局の結果
※対局の際のBonanza2.1のNPSは初手▲18香の局面で1454kN/sec
※Vector(ベクター)でダウンロード可能
目次
Bonanza2.1とは
Bonanza2.1とは、2006年5月に行われた第16回世界コンピュータ将棋選手権で初参加初優勝を遂げた、コンピュータ将棋の歴史に残る革命的なプログラム。
同大会の上位陣が当時の高性能PCで出場していた中、本プログラムは市販のノートパソコン(VAIO SZ-90S/CoreDuoT2600)で出場していたにもかかわらず優勝したことも大きな話題となったが、その思考ルーチンもそれまで将棋プログラムには向いてないとされていた全幅探索を用いていたことも注目され、その後のコンピュータ将棋のあり方を大きく変えた。
主な機能
CPUの思考時間を設定できる対局以外には主な機能はありませんが、有志が作った「MyBona」というアプリケーションを使うことにより、綺麗な盤駒で対局出来たり、棋譜解析を行うことは出来ました。
現在は、MyBonaのダウンロードは出来なくなりましたが、「将棋所」や「ShogiGUI」を使って動かすことは出来ます。その際は「bonadapter」というプログラムが必要になることも書いておきます。
Bonanza2.1の棋力
棋力の検証
Bonanza2.1の棋力を激指15レーティング戦で50局対局させることで確認しました。
三段(2000点)スタート
Bonanza2.1の持ち時間は1手10秒
対局の際のBonanza2.1のNPSは初手▲18香の局面で1454kN/sec

最終レート 2112点(三段+)
最高レート 2197点(四段 28局目で到達)
対四段 9勝9敗0分(勝率0.5000)
対三段+ 9勝10敗0分(勝率0.474)
対三段 8勝3敗0分(勝率0.727)
対二段+ 2勝0敗0分(勝率1.000)
三段+に一つ負け越していますが、四段と互角。
2000点スタートから50局の対局後レート平均は、Bonanza1.0よりも5点ほど下回りましたが、後述するBonanza1.0との対局100局の結果からも、Bonanza2.1の棋力は激指15の四段相当とするのが妥当だと判断しました。
Bonanza1 vs Bonanza2
前作と変わらないとするのは疑問に思うかもしれませんが、他のサイトでも20点しか変わらない旨が書かれてあったり(直接対局を1回やってBonanza1が勝てば逆転する点差)、Bonanza1とBonanza2の強さの関係は微妙なのだろうと思います。
私自身も不思議な気はするので、一応、ShogiGUIを使って1手10秒で100局を行ってみたところ、下の結果となりました。

Bonanza2.1の51勝47敗2分
Bonanza2.1の勝率51%となりました。自己対戦でもBonanza1.0とBonanza2.1の棋力は互角に近いようです。
気付いたこと
●敗勢になると一局を台無しにする
相手玉の詰みに関しては、既にプロを越えていたと思いますが、かなり際どい局面でも、自玉の詰みに気付くなど自らの負けを自覚すると、王手の可能な限り無駄な自爆王手を繰り返し、相手の勝ちを分かり易くする癖は、潔いというかなんと言うか、コンピュータであることが分かりやすいプロブラム。良く言えば、千里眼が仇になっているといったところでしょうか。
●自陣の穴熊を過大評価する
Bonanza2.1は自陣の穴熊を過大評価するようです。終盤で自陣の穴熊を崩されると、その評価値を急転直下させることが多々見られました。
●角の評価が低い
角の評価が低いのはBonanzaシリーズの代表的な特徴。うまく行っても相手の守りの金や銀一枚としか交換できない場所に、好んで角を打ちこんできます。
総評

Bonanza2.1が公開された当時の私は将棋倶楽部24の3~4級であったため、このBonanza2.1と対局しても中盤以降で差がぐんぐん広がり一方的にのされるのが常で、練習相手にはなり得ませんでした。
私の棋力がBonanza2.1で遊ぶ棋力に達していなかったこともあり、Bonanza2.1のことで覚えていることと言えば、それを使用したソフト指しがネット対局場に跋扈したということくらいです。
当時はコンピュータ将棋の棋力がいよいよアマ高段に近づいていた時期で、そういうソフトは1万円前後で販売されていた中、Bonanzaシリーズは唯一、無償でダウンロードできる強い将棋ソフトだったという背景がありました。
まあ、ソフト指しに利用する阿呆が悪いわけであって、Bonanza2.1自体には何の罪もありません。それどころか、Bonanza2.1はコンピュータ将棋のその後のあり方を変え、特にコンピュータ将棋開発者から高い評価を受けた、稀に見る優れたプログラムであったことを強調しておきます。
今の棋力になって(24の二段)、改めて扱ってみると、強さ的には私よりも随分強いので良い練習相手となるかどうかは分かりませんが、何局かやれば一発は入るので完全な無理ゲーというわけではなく、時々、腕試しとして遊ぶのには良さそうです。
また、今回の棋力の確認で新発見だったのは、前作のBonanza1.0と大して棋力が変わらなかったということです。
今まで15年くらいの間、Bonanza2.1の方が100点か200点くらいは強いのだろうと勝手に推測していましたので、目からウロコの新発見でした。
実際に対局してみた体感では、Bonanza2.1の方が強く感じもしますが、人間にとっての強さとコンピュータ間での強さは違うのか、NPSはBonanza1.0の方が1.5倍くらい多いのでそこにヒントがあるのか、単に私とBonanza2.1の相性が良くないだけなのか、検証結果がおかしいのか、その辺りは謎。
ともかく、Bonanzaシリーズの中では、このBonanza2.1は世界コンピュータ将棋選手権初参加初優勝という実績がインパクト抜群で、最終作のBonanza6.0と並ぶBonanzaの代表作だと思います。
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