最強将棋 激指スペシャル(PlayStation2)

将棋ソフト
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対応機種PlayStation2
発売元毎日コミュニケーションズ
発売日2006年8月24日
最高棋力激指15の初段+【36分21秒/127手】
特記事項・160万手を超える定跡
・豊川六段、矢内女流、岩根女流、坂東女流が登場

※【】内は24局行った際の1局における消費時間と手数の平均


目次

激指スペシャルとは

「最強将棋 激指スペシャル」は最強将棋ソフト「激指シリーズ」の最新作です。2005年に第15回世界コンピュータ将棋選手権で全勝優勝した「激指」がプロを角落ちで破り、アマ竜王戦全国大会でもベスト16に進出しました。本作はその活躍を記念し、価格を抑えた特別版として開発されました。PS2では4年ぶりの登場となります。プロが登場する対局で、将棋の楽しさを味わってください。

引用元:本製品パッケージ裏面

主な機能

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【対局】CPUのレベルは12級から四段まで。駒落ち可能。CPU同士の対局も可能。
【棋士に挑戦】豊川六段、矢内女流、岩根女流、坂東女流と仮想の七番勝負。
【レーティング戦】CPUと対局を繰り返すことでユーザーの棋力が点数や段級位でわかる
【その他】盤面編集、棋譜読み込み、棋譜解析、検討モード、詰み探索などが可能。
【プロフィール】本作の登場棋士・女流棋士の略歴など。
【環境設定】サウンド設定や画像調整など。
【システム】環境設定やレーティング戦、棋士に挑戦の結果を保存。


激指スペシャルの棋力

棋力の検証

激指スペシャルの棋力を客観的に判断するために、その最高棋力である四段を激指15と戦わせてみました。結果は下の通り。

※【】内は1局における激指スペシャルの消費時間と手数の平均

対激指15の初段+ → スペシャルの5勝3敗【32分26秒/126手】
対激指15の二段 → スペシャルの2勝6敗【38分42秒/130手】
対激指15の二段+ → スペシャルの1勝7敗【38分14秒/125手】

時間面での最長は71分57秒(205手)、最短は19分5秒(80手)

上記の対戦結果から激指スペシャルの最高棋力である四段は、激指15の初段+相当とするのが妥当ではないでしょうか。

同じPlayStation2用のソフトと比べると、「光速谷川将棋」と同じくらいの強さですが、「激指スペシャル」の方が思考時間は半分。

また、同じマイコミの「最強東大将棋スペシャルⅡ」と比べると、そちらの方が先に発売されているのですが、そちらの方が強いかもしれません。

気付いたこと

160万手を超える定跡を収録
定跡160万手をうたうだけあって、当時の定跡手順にはほとんど対応できます。コンピュータが定跡と認識している手順ならば、即指しで対応します。

詰将棋力はかなり高い
20手以下の詰み筋を見逃したことはなかったです。詰みに関しては本当に四段以上の棋力だと思います。

CPUの思考時間は最長でも1手50秒
コンピュータはどんなに長く考えても1手50秒で指すように作られているようです。一方で、最強の「四段」との対局においては、コンピュータは定跡手順と詰みが発見されている局面以外では大抵50秒ギリギリまで考えます。

先読みする
コンピュータは此方の手番の時も指し手を検討しています。(これを先読みという) ですから、人が激指スペシャル四段と対局する際は、激指15の初段+よりも強く感じるかもしれません。(つまり、上の棋力検証では激指15が時間を使わないが、ユーザーとの対局ではユーザーが時間を使う分、その分だけ激指スペシャルの思考量が増える)

総評

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私がこの激指スペシャルで遊んだのは今回が初めてです。

1年くらい前にどこかのサイトでPlayStation2の将棋ソフトでは最強は「激指スペシャル」である旨を読んだことがあり、もともとWindows版激指を好きだった私はPS2版の激指はどの位の強さがあるのだろうかと興味を持っていました。

今回の棋力検証によると、このPS2版の「激指スペシャル」は、2001年末発売のWindows版激指と比べても棋力が下であることが分かりました。

同時期(2006年頃)に発売されていたWindows版の激指5や激指6と比べると500点(二段半)くらいの棋力差があったのではないかと思われます。

私にとってはそれを知ることが出来ただけで充分に満足だったりします。

実際に自分で遊んでみた感触としては、初手合いでは激指15の初段+よりも強く感じました。こちらが受け身で居ると、結構上手く指してくる印象です。そして、詰みに関しては無茶苦茶強い。

その一方で、少々な無理攻めは受け間違ってくれて通ったりすることや、1手50秒の制限を自らに課しているためか、思考を途中で打ち切って指した一手は「ええ?」と驚く悪手も時々あったりして、やっぱり総合的には激指15の初段+程度だと思う節もあります。

機能的には、2004年末発売の激指4と比べても目新しいものは特にありません。Windows版にはなかったBGMが有るくらいでしょうか。

検討モードもWindows版比べると使い辛いですが、一応備わっている点はPS2のソフトとしては珍しく、評価すべきポイントかもしれません。

Windows版の激指は当時の(今でも)将棋ソフトの最高峰で、それをPS2用に移植したのがこの激指スペシャルだと思われます。

ですから、パソコンを持ってない人にとっては嬉しい良作だったのではないかと思います。一方で、Windows版に比べると劣化した移植になっているため、Windows版を持っている人にとっては必要なかったのではないかとも思いました。

対局棋譜

私が激指スペシャルの四段と持ち時間無制限で対局した棋譜を貼っておきます。

先手:わたし
後手:激指スペシャル四段
将棋盤

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コメント
  • そばやしさんへ
    2022/01/10 03:39
    この激指スペシャルはほとんどのユーザーにとっては強いことは強いと思うのですが、本文に書いてあるように「あれ?」と思うような疑問の展開も時々あるという感じです。

    終盤のしぶとさや詰将棋力は、さすがは激指と思う節もあったりします。

    ハチワンダイバーについては、もし遊べる機会があればやってみたいと思います。
  • 2022/01/09 14:25
    プレステ2の激指スペシャルの検証
    見たかったので、
    個人的にうれしいです!
    ですが予想外に
    そこまで強くないみたいで
    ちょっと期待ハズレでした。
    主さんとの対局の棋譜も観ましたが、
    中飛車に対する受けも
    できていない感じでしたね。
    以前主さんにコメントした事ありましたが、
    PS2では
    ハチワンダイバーが一番強いかもしれませんね。
    あと逆に、
    光速谷川将棋(金沢)の
    デキの良さが伝わってきますね!
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