
ネット対局アプリ「将棋クエスト」ですが、最近遊んでなかったら、なんでも去年の1月くらいから「実戦!詰めチャレ」なるものが実装されています。
簡単にいうと、激指7以降のナンバリングに付いている「実戦詰将棋道場」のようなものを、レート戦形式で遊ぶことが出来るのだから、自分の実力を他人と比較できるようになり、しかもその成績(点数)が自分の対局用の成績表にも表示されるため、将棋ファンの燃える闘魂を奮い立たせること待ったなしっ!
これが、激指の「実戦詰将棋道場」の場合は、低級問題とされている問題でも全国の有段者の心を折る問題が連発することもあるのですが、将棋クエストの「実戦!詰めチャレ」の場合は、全国の将棋ファンが解いた結果をもとに難易度を決めているようで、そこそこ信用できます。
しかも、レート対局の時と同じように自分の持ち点が増えたり減ったりするので、全国の将棋ファンの中で、自分の実力がどのくらいかを知ることも出来るため、ぶっちゃけ、ソフト指しが大繁殖している昨今のネット将棋よりも、この「実戦!詰めチャレ」の方がおもしろいのではないかと思うほど最高傑作です。
とにかく、好評だった激指「実戦詰将棋道場」をさらに面白くグレードアップしているのが、将棋クエストの「実戦!詰めチャレ」と言っても過言ではありません。
ただ、一つだけ難点があります。
誰もが最初は誰もが500点(20級)からスタートするのですが、これを各ユーザーの適正段位まで上げるのがなかなかの一苦労。
通常の対局だと、仮レートの間は点数が数十点単位でバンバン上がるのですが、この「実戦!詰めチャレ」はご丁寧に、正解だと+4~5点、不正解だと-4~5点という気の長い戦いが繰り広げられることになるのです。
つまり、適正レートが2000点(四段)の人の場合、全問正解でも400問ほどを解いて、ようやく適正レートになる計算ですが、当然ながら、適正レートまで全問正解という人は居ないわけで、最短でも1000問近くを解くことになるかもしれません。
有段者ならば大抵はこの「実戦!詰めチャレ」に魅力を感じて、時間を忘れ、浦島太郎状態になり、あっという間に仮レート(「?」マーク)が取れるほどやり込むと思いますが、出題されている問題は最初の方から結構難しい問題が出てくるため、級位の方だとすぐに心を折られるかもしれません。
私もやり始めてから2~3日のうちに1900点(三段)を突破したのですが、1800点台で仮レート(?マーク)が取れてしまって、そこからは正解でも1点、不正解だと10点を持って行かれる地獄モードに突入し、1900点を突破するのに苦労しました。仮レート(「?」マーク)が取れると、急にそういった状況に変わります。

私が間違った問題に限って、1500点台の10点を持って行かれる問題というのは、どういうことだーーっ、と眠るのも忘れて憂き身を窶していたのも、結構最近のことですが、遠い思い出のような気さえします。
問題図は少なくとも2000点以下くらいの問題ならば、落ち着いて眺めると大して難しくはないのですが、なにせ30秒の制限時間があるため、相手玉の周辺にばかりに目をやってるものだから、詰ましたと思いきや、それまで死角となっていた盤上の隅から馬がピューンと飛んできて、アジャパー(※おっさんしかわからない言葉)となるのはよくあること。
他にも、難しいという先入観を持って問題図を眺めているものだから、ひねくれた順を考えて、どうやっても詰まないと思いきや、よーく見ると玉型は合駒が無いので飛車や角を離して打てば一撃で詰んでるなんてのもよくあります。
ところで、この「実戦!詰めチャレ」の点数は対局モードの点数に近づく模様。級位のことはわかりませんが、少なくとも段位にはその法則があるようです。(疑うのなら、観戦モードで有段者の成績表を眺めてごらん。ああら、不思議!)
したがって、実戦詰めチャレをやっておくことは、何よりものそのユーザーの棋力証明になっているような気がします。
私の経験上、対局中に何か使っているんじゃないかと思ったユーザーのほとんどが、実戦詰めチャレをやってないか、500点台の「?」付きでした。私よりも随分下位の点数にも関わらず、序盤から私を圧倒し、詰めチャレにも魅力を感じない人、あやしいという気持ちを払拭出来ないのが本音です。
一度だけ、300点以上も下位の人が異常に強くて、こちらの玉の詰みも私よりも早見えだったので、さすがに怪しいと思い、その人の成績表を見たら、詰めチャレの点数は私よりも上でした。過小(わざと低い点数をぶらさげて、油断している相手に勝つことを唯一の楽しみとしている悲しい人達のこと)やって遊んでいるのだろうと、妙に納得した次第。
如何せん、詰めチャレを知って日が浅いので、適切な例を経験から語れないため、変な例を書きましたが、詰めチャレをやっておくことは、ソフト指しという変な疑いをかけられないための防止措置にはなっていると思います。
現在、将棋クエストは2分切れ負けを課すことで、ソフト指しを弾いてますが、それだとソフト指しでない人も大量に弾いてしまって、ぶっちゃけ、強い人達を集めないとそうでない将棋ファンは集まらないのでクエストは損をしていると思います。
しかし、詰めチャレは本当に強いのかどうかを見極める良い資料になっているので、こちらの方で弾く方が正解だと思われます。
ぶっちゃけ、対戦時のオートマッチングは対局レートではなく、詰めチャレレートで組んで欲しいくらいです。その方が詰めチャレをやる人は増えるし、ユーザーにとってもソフト指しとの対局を回避しやすくなるため、管理者サイドにとってもユーザーにとってもウィンウィン?
それはともかく、将棋を指すのが好きでたまらない方は、将棋クエストの詰めチャレで一度は遊んでみる価値があります。ソフト指しとか、そういう嫌なものは全くないので、単純に楽しめること間違いありません。なお、詰めチャレは将棋クエストのアプリ版でしかできないことも書いておきます。
