AI将棋Version19(Windows)

将棋ソフト
AIshogi19-1.jpg

対応機種Windows 7/8/8.1/10
発売元e-frontier
発売日2015年11月27日
最高棋力激指15の五段+【i7-7700で19分/146手】
特記事項・日本将棋連盟アマチュア五段公認
・獅子王将棋プログラムを搭載
・詰将棋を500問以上収録

※【】内は50局行った際の1局における消費時間と手数の平均

目次

AI将棋Version19とは


純粋な強さ、それがAI思考ルーチンの真髄。
2010年10月、AI将棋の思考ルーチン「YSS」を含む複数の思考ルーチンが、合議制により清水市代女流王将(当時)と対戦、勝利しました。この歴史的快挙へのYSSの貢献が認められ、AI将棋は社団法人日本将棋連盟からアマチュア五段を認定されました。

五段公認の棋力
YSSは、思考ルーチンの優劣を競う大会で20年来優勝・上位入賞を繰り返しています。熾烈な競争の中、長期間トップクラスの成績を維持するのは至難の業であり、周囲の尊崇を集めています。
プログラムの強さは段位・級位で指定可能で、初心者から有段者まで常に「いい勝負」を楽しめるとともに、自分の棋力を測る格好の目安になります。
コンピュータの戦型指定も可能で、特定の相手を想定した練習にも最適です。

獅子王将棋プログラムを搭載
獅子王将棋は、上手が一度に2手まで指せる特別な王将「獅子王」と歩兵のみの変則将棋です。下手は上手から落とした駒を最大10枚まで持つよう設定できますが、勝つのは難しく、頭の体操に最適です。

強力な学習機能
定跡学習モードを強化し、主要な定跡を網羅しました。
また、悪手ヒント、次の一手候補表示など各種ヒント機能も充実しています。

詰将棋問題も収録
詰将棋問題「AI将棋 朱雀の巻」200問、問題を刷新した「今日の詰将棋」365問を収録しています。
対局前の肩ならしにどうぞ。

※本製品は「AI将棋Version18」のWindows 10対応版です。思考ルーチンは同一となります。

引用元:本製品パッケージ裏面


主な機能


【新規対局】CPUのレベルは五段から10級の下の接待要因まで。過去作のチューンナップ版も有る。
【AI奨励会】平手戦や駒落ち戦を繰り返し、10級から四段昇段を目指す。
【国盗り戦】北海道からスタートして、個性的なAI棋士と戦い全国制覇を目指す。
【定跡一覧】定跡手順を解説付きで鑑賞したり、途中対局を行うことができる。
【獅子王将棋】上手は一度に2手動かせる獅子王と歩兵のみの変則将棋。
【朱雀の巻】中上級者も楽しめる詰将棋200問を収録。
【今日の詰将棋】初心者向けのる3~5手の詰将棋365問を収録。

他にも検討モードや詰み探索及び棋譜解析機能も搭載されている。


AI将棋Version19の棋力


棋力の検証


AI将棋Version19の棋力を確かめようと、いつものように激指15のレーティング戦で闘わせようと試みたのですが、使用したパソコン(i7-7700)では時間が足りないことが時々発生するため、激指15の四段~六段までと各10局ずつを対戦させてみました。

対戦結果を激指レート戦成績表風に表にしてみました。

AIshogi19-2.jpg

対四段 8勝2敗0分(勝率 0.800)
対四段+ 8勝2敗0分(勝率 0.800)
対五段 6勝4敗0分(勝率 0.600)
対五段+ 6勝4敗0分(勝率 0.600)
対六段 3勝7敗0分(勝率 0.300)

消費時間の平均は19分9秒
手数の平均は146手

消費時間の最大は100分11秒(320手)、最小は3分49秒(128手と82手)

上の結果より、AI将棋Version19の最高棋力五段は激指15の五段+相当だと考えられます。

AI将棋Version19の思考ルーチンはAI将棋Version18(2011年4月1日発売)と同じで、2011年5月に開催された世界コンピュータ将棋選手権ではYSSは8位で、2位のBONANZA6が激指15の六段相当であったことを考えると上の結果に納得。

詰みや必至を見つける能力は凄まじく、激指四~五段との対局では終盤劣勢でも長手数の詰みや、長手数の詰みのある必至を見つけて大逆転する対局を何度も見ました。


総評


AIshogi19-3.jpg

AI将棋Version19激指と比較の対象になり得る数少ない将棋ソフトだと思います。

まず、盤駒の見た目が激指と同じくらい奇麗で、駒音も格好良いです。

付属機能の「AI奨励会」も激指のレーティング戦とはまた違った面白さがあります。

例えば、昇段級のためには平手戦ばかりでなく、香落ちや角落ちなどの駒落ち対局がランダムで出てきて、そういうのは他のソフトには無い面白さが有りました。

収録されている詰将棋も激指などの多くの将棋ソフトでは難しい問題ばかり入っているのがありがちですが、このAI将棋Version19に収録されている「今日の詰将棋」は簡単で、普通の将棋ファンでも構えずにサクサク解き進められると思います。

また、それとは別に少し骨のある問題集「朱雀の巻」200題が用意されているのもとても良いです。

有段者向けに作られている激指に比べると、AI将棋Version19はもう少しライトな層でも楽しめる将棋ソフトといったところでしょうか。

むしろ練習相手として使う場合は、激指15よりもAI将棋Version19の方が優れていると思います。

チューンナップされたものではありますが、AI将棋の1997年から2010年までに発表されたバージョンが収録されていて、それらが練習相手としてとても良いのです。

最高棋力が激指15の五段+相当なので、それに勝ち越すのはプロレベルが必要だと思いますが、1999年代のバージョンは私(24の二段、クエスト10分の四段)でも普通に勝てる代物です。将棋倶楽部24の最高初段くらいあれば、そこら辺は大した苦労もなく勝てると思います。

検討モードの方は当然ながら昨今の将棋ソフトには劣ります。これは10年以上前の思考ルーチンなので仕方がありません。

そういうわけで、研究用の道具として使う場合など総合的にみると激指15には及びませんが、そのサブとして、特に練習相手として使う場合はお勧めの一本です。


AI将棋 Version19
イーフロンティア 2015年11月27日
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