技巧(Gikou20160606)vs激指15 五十番勝負!

将棋ソフト
新 刊

新 刊

技巧1

対応機種Windows
開発者出村洋介 氏
発売日2016年6月6日
最高棋力激指15のPro+2【3464kN/sec ×9秒】
特記事項・第26回世界コンピュータ将棋選手権準優勝

※対局の際の技巧のNPSは初手▲18香の局面で3464kN/sec

目次

技巧(Gikou20160606)とは


技巧(Gikou20160606)とは出村洋介氏が開発した将棋ソフトで、2016年5月に開催された第26回世界コンピュータ将棋選手権で準優勝の成績を収めました。

同大会では一次予選を全勝で1位通過、二次予選では当時最強ソフトとして有名だったponanzaにも勝ち全勝で1位通過。決勝リーグでも勝ち続けましたが、最終局でponanzaに負けて惜しくも準優勝。同大会では独創賞と新人賞も受賞しました。

オープンソースとして公開されており、ShogiGUIや将棋所といったアプリで動かすことがでます。但し、上記の大会ではメモリ「960+32GB」を搭載したマシンを使っており、その時の強さを再現するのはとても難しいこと。


主な機能


基本的にはアプリ「ShogiGUI」や「将棋所」に付いてる機能となるので、できることは対局、検討モード、棋譜解析など。


技巧(Gikou20160606)の棋力


棋力の検証


技巧(Gikou20160606)がどのくらいの強さなのかを知るために、激指15のレーティング戦で闘わせてみました。

※技巧(Gikou20160606)の持ち時間は1手9秒(NPSは初手▲18香の局面で3464KN/sec)

2500点(五段)スタート
技巧 激指R64局

最終レート 3129点(Pro+ 更新中)

対Pro+ 9勝4敗0分(勝率 0.667)
対Pro 9勝5敗0分(勝率 0.643)
対七段+ 7勝0敗0分(勝率 1.000)
対七段 6勝1敗0分(勝率 0.857)
対六段+ 8勝0敗0分(勝率 1.000)
対六段 6勝0敗0分(勝率 1.000)
対五段+ 6勝0敗0分(勝率 1.000)
対五段 4勝0敗0分(勝率 1.000)
通算成績 54勝10敗0分(勝率 0.844)


64局指したところで、次の対戦相手が激指Pro+2となり、私のパソコンでは激指の考慮時間が足りなくなるために続行不可。

技巧をなめてました。2014年5月の世界コンピュータ将棋選手権で優勝したAperyの棋力(その6か月後のバージョンが七段相当)から判断して、激指Proと互角くらいと判断していたのですが、読みが甘かったです。

そういうわけで、激指Pro+2は時間無制限で技巧とあと50局を戦わせてみました。

技巧(Gikou20160606)vs激指15 五十番勝負


技巧(1手9秒)vs 激指15Pro+2(持ち時間無制限)を50局やった結果は下の通り。

激指15vs技巧 50番勝負

※前半25局は技巧が先手、後半25局は技巧が後手

技巧先手番 11勝13敗1分(勝率 0.458)
技巧後手番 12勝9敗4分(勝率 0.571)

結果は技巧の23勝22敗5分(勝率 0.511)

この成績から、技巧の棋力は激指15Pro+2相当とするのが妥当でしょうか。

ただし、消費時間は技巧の方が激指15よりも平均で5分の1くらいしか使ってないので、技巧(Gikou20160606)の方が激指15よりも強いということになります。


総評


今回の50局で技巧は基本的に居飛車で、振り飛車に誘導されることもある、そういう感じでした。

振り飛車に誘導されるというのも変ですが、基本は居飛車で闘いたいところを相手の手順次第では飛車を振る一手も候補手に挙がるらしく、時々それを引くという感じです。

勝負はどちらかが序盤からポイントを積み重ねて、それが勝敗を分けるケースが大半でしたが、どちらかに致命的な見落としがあって一気に勝負が決まるという展開も時々見られました。

終盤はどちらが強いというわけでもなく、勝ってる側がさらに優勢になる筋を深読みしていた感じで、1000点以上離れると逆転は滅多に起こらず、確かに互角に見えました。

世界コンピュータ将棋選手権での活躍はセンセーショナルでしたが、あの悍ましいプロ棋界での冤罪事件に巻き込まれたことでも有名です。(あれは完全にシロ)

そう考えると、激指15Pro+2くらいの強さになると、トッププロも勝つことをあきらめる恐ろしい強さであることが今回の検証から推察されます。

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