第72期王将戦七番勝負第5局の感想

プロ・女流棋戦
島根県太田市3

島根県の太田市で行われた第72期王将戦七番勝負第5局。

藤井王将と羽生九段が戦う将棋の歴史に残る七番勝負の第5局。

羽生九段の48手の封じ手以降は、藤井王将が攻勢で有利な時間が続いていましたが、78手で羽生九段が反撃に出て数手進むとコンピュータの評価値は羽生九段側に傾き、将棋ファンの多くは「羽生マジック」という言葉を思い出したのではないでしょうか。

第72期王将戦五番勝負第5局

藤井王将の先手番26連勝を羽生九段が止める、羽生九段がタイトル獲得数100期に大きく前進する、まるでそれを確信するような時間が1時間以上、手数にすると5手ほどでしたが、多くの将棋ファンにそういう時間があったと思います。

ただ、その難解な局面を正確に指し続けるには羽生九段といえど時間が足りなかった、勝手ながらそのように見えました。羽生九段が再び受けにまわった88手が恐らく敗着ですが、その時、羽生九段の残り時間は30分ちょっと。

藤井王将も同じくらいの持ち時間しか残っていませんでしたが、早指しになると生物学的にも、これまでの将棋の歴史を見た限りにおいても若い方に分があるような気はしたのは私だけでしょうか。

88手が指されてからは手数的にも時間的にも「え?もう終わったの?」というくらいあっという間で、まさに急転直下でした。羽生九段も対局後に一手間違うと終わってしまう局面が続いていたことを話しており、一手一手が全身全霊を込めて指していたことをつくづく思い知らされます。

第5局も藤井王将の強さが際立っていたと思いますが、羽生九段に期待するオールドファンをドキドキさせる時間もあって、非常に見応えのあった一局でした。

太田市の大盤解説会場には島根県の県民栄誉賞を受賞した出雲のイナズマ里見香奈女流五冠も登場していて、とてもうらやましかったです。将棋のすごい人達が集結して完全にお祭りです。やっぱり、タイトル戦はこうでなくてはいけません。

毎日新聞の王将戦のサイトで、第5局のすごい棋譜も対局後のインタビューも里見女流五冠が登場する動画も全部見ることができます。

◆毎日新聞 王将戦のサイト
https://mainichi.jp/oshosen2023

↑タイムラインで動画を見る際は、最新記事の上にある「60秒で自動更新」を「OFF」にして下さい。そうしないと、動画が1分以内で強制終了されます。私も3回ほど強制終了されることを繰り返し、「何が起こったんだ、コノヤロー」とわけがわからずムカついてました(汗)

第6局も素晴らしい将棋が観れることを期待しています。
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    2023/02/27 10:15
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