竜王戦1組 渡辺名人vs広瀬八段の感想

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4月14日に第36期竜王戦1組 渡辺明名人vs広瀬章人八段が行われ、対局の模様がABEMATV(LIVE)で放送されました。

戦型は渡辺名人が先手で相掛かり。ABEMAの将棋ソフトを信用すると、序盤は互角ときどき渡辺名人が微弱に有利くらいになっていたようですが、55手で渡辺名人が▲94歩とぶつけて端の開戦を試みると、広瀬八段はそれに構わず△44歩と桂取りの一手で応戦。

以降、数手は我が道を行くと言わんばかりに両対局者ノーガードで駒の取り合い。これはただでは済まないと思ってみていると、いつの間にやらコンピュータのジャッジは60%以上で広瀬八段持ち。

広瀬八段は76手で馬を切ると(金との交換)、続く78手で△77桂成とタダ捨ての王手。只より高いものは無いとは良く言ったもので、取れば敗勢。しかし、取らない手も劣勢で、対局室の渡辺名人の様子からも広瀬八段の寄せが決まりつつある模様。

79手の局面ではABEMAのコンピュータさんは97%で広瀬八段持ちとおっしゃってたのですが、その局面で広瀬八段は30分くらいを使っていて、ソフトの形勢判断を用いた最近の将棋番組特有の観戦者と対局者の温度差がそこにあったのはいつものこと。

その局面の水匠5の評価値は-1235で、そこから後手を持って水匠5を相手に勝ち切ることが出来る人は観戦者の中に何%居るのか。1%未満のような気もして、プロも大変だなと思ったりもします(汗)

広瀬八段は強いので、そのまま寄せ切って100手で勝利。次の森内九段との1組5位決定戦へ進出。

このブログで事前に行っていた勝敗予想アンケートでも広瀬八段が勝つの方に予想していた人が多かったのですが、渡辺名人の方は名人戦で忙しいなどのしっかりした論拠があって、皆さんよく見ているなと思った次第。

ところで、この対局のABEMA中継で95手の局面の時、ちょっとしたアクシデントが起こったようです。

私はその瞬間を見逃してしまったのですが、聞くところによると、まだ対局が終了していないのに「●●九段 あと1勝で決勝トーナメント進出!」といったテロップが画面上の方に一瞬だけ出たとのこと。

最近は勝数で昇段が近づいている広瀬八段が「ほぼ九段」と言われてるのでしょうか?チャット欄ではそれに掛けて想像を逞しくした方々のチャットですんごいことになってました。

◆水匠5の形勢評価グラフ
第36期竜王戦1組 渡辺名人vs広瀬八段
点線は59手。水匠の最善手は▲94香。
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