
4月27日、28日に静岡市葵区の「浮月楼」で第81期名人戦七番勝負第2局 渡辺明名人vs藤井聡太竜王が行われました。
藤井竜王が先手で相居飛車の力戦系となった本局。藤井竜王の封じ手(43手)は、前日のABEMA放送では次善手とされていた▲16香。
ABEMAのコンピュータさんの次善手ではあったのですが、水匠5や激指15はその手を第三の手にも挙げていませんでした。しかし、ABEMAの大盤では三枚堂先生が2手前に▲15歩と突き越していたのだから、その手を充分考えられると解説していて、その解説に納得したこともあってか、前に指した手と関連する指し手を選んだあたりに人間らしさを感じたのは私だけでしょうか?
さて、勝負の方は両者が成り駒を作ったあたりの終盤戦入口はABEMAのコンピュータさんも渡辺名人側に60%とかで揺れ動いていた時もあったのですが、渡辺名人が68手△27香成と飛車角両取りをかけたその時、新時代のスーパースターは「両取り逃げるべからず」の格言のさらに上を行く69手▲26桂打という大技を盤上にぶち込んでました。
両取りを逃げないどころか、両取りをかけているその成香の効き筋に、さらに桂取りの選択肢をも追加する奇跡の一手。(こんなの初めて見た)
その一手には名人も長考となり時間を削られ、持ち時間の残り時間は同じくらいになり、続く71手に▲14桂とその桂馬で王手をかけると、渡辺名人が玉を逃がした場所に対してABEMAのコンピュータさんがオコ!その数値はそれまで50%付近だったのが一気に77%までにギュオーンと上昇してました。
以下は藤井竜王の最強手の連発で、87手で藤井竜王の名人戦2勝目。渡辺名人も2日目の夕方まで、有利になりかけていると思わせるほど奮闘していたのですが、最後は藤井竜王の読みが上回ったといったところでしょうか。
こうなってくると、素人目には最年少名人誕生が濃厚になってきたようにも思えるのですが、まだ、わかりません。
なにせ、渡辺名人は若かりし頃、羽生永世七冠達成待ったなしと誰もが信じていた状況のなかで、3連敗から4連勝の奇跡を起こしたことがあるので、まだ、分からないです。
第3局は大阪。場所的にも名人戦はさらに盛り上がりそうな予感。
◆水匠5の形勢評価グラフ

赤いラインは72手。水匠の最善手は△14香
水匠5の評価値的には、渡辺名人にとっては惜しかった対局。
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