
目次
東大将棋2Lite ①道場バトルとは
本製品パッケージ裏面より「東大将棋2ライトシリーズ」は1999年に発売された「最強 東大将棋2」の機能を分割・改良してお求めやすい価格で再販売するものです。コンピュータ将棋プログラムは、短い思考時間で最善手を見つけるように作られていますので、決してユーザーに退屈させません。初心者はもちろん、中、上級者も楽しめる本格的な仕様です。
◆IS将棋
1998年2月 世界コンピュータ将棋選手権 優勝
1999年3月 世界コンピュータ将棋選手権 5位
2000年3月 世界コンピュータ将棋選手権 優勝
※IS将棋を商品化したものが東大将棋シリーズ
主な機能
【道場破り】持ち時間が異なる甘口・辛口・激辛道場があり、勝敗によって段級位が変化する。
【通常対局】コンピュータのレベルは初期設定で0~4。駒落ち戦やCOM同士の対局は不可。
東大将棋2の思い出
原始棒銀しか知らなかった当時の筆者(棋力は推定で将棋倶楽部24の10級程度)が初めてギブアップした市販の将棋ソフトが東大将棋2(Windows版)です。
何回やってもこちらの陣地だけが終盤になるフルボッコのポコポコヘッドで心を折られました。そして、このソフトで遊んで以来、パソコンの将棋ソフトには勝てないという固定観念が植え付けられた次第。プレステ版の最強東大将棋や、Nintedo64の最強羽生将棋には勝ててたんですけどね。
あれから20年以上の時を経て、私の将棋の腕前も当時とは比べ物にならないほど上達して、今度は私がフルボッコにする番だと満を持して最強の「レベル4」に挑んではみたのですが・・。
中盤までは大優勢になったものの、COMの凄まじき終盤力で逆転されました(涙)
3回目のチャレンジでようやく勝利目前となり、心なしかマウスを持つ手は震え、COMの投了後はしばらくの間、万感の思いに浸っておりました。ところが・・。
投了図の真ん中に表示されていた「投了です。あなたの勝ちです。」の小窓を閉じようと、「OK」ボタンをクリックするや否や!
なんか、出て来ました・・。

***
レベルアップ!
規定の条件を満たしましたので、
次回からはレベル5を選択することができます
***
そ、そーでした。プレステ版の最強東大将棋も、N64の最強羽生将棋も、N64のAI将棋3もあの頃の将棋ソフトは最初から選べる最強レベルを倒すと真の最強モードが出現するという演出が流行ってました。「味な真似を」と思いつつも、感動のエンディングを迎えたつもりになってた私にとっては、少々水を挿された感じ。
気を取り直してレベル5もクリアしましたら、まーーた出やがりました・・。
***
レベルアップ!
規定の条件を満たしましたので、
次回からはレベル6を選択することができます
***
レベル6の出現は本当に意表を突かれた感じ。まさか隠しモードが二つもあったなんて。将棋ソフトでこんなの初めて。
二度あることは三度あるのではないかと、レベル6にも勝利しては見たのですが、レベル7というのは今のところ出現していません。
それはともかく、推定で将棋倶楽部24の10級くらいだった20数年前の私が勝てる相手では無かった、それだけは重々承知しました。
ところで、レベル4とレベル6の強さの違いがいまひとつわかりませんでした。
この謎につきましては、次の項目で詳しく調べて行きます。
東大将棋2Lite ①道場バトルの棋力
「東大将棋2Lite ①道場バトル」の最強レベルである「レベル6」が激指15の何段に相当するのか、激指15のレーティング戦で対戦させてみました。
2級(1400点)スタート

最高レート 1860点(二段 72局目で到達)
最終レート 1756点(二段)
対二段+ 4勝9敗0分(勝率 0.308)
対二段 13勝18敗0分(勝率 0.419)
対初段+ 17勝6敗0分(勝率 0.739)
対初段 13勝2敗0分(勝率 0.867)
対1級 6勝2敗0分(勝率 0.750)
対2級 7勝2敗0分(勝率 0.778)
対3級 1勝0敗0分(勝率 0.000)
54局目で二段に到達して以降は、100局目終了時点までずっと1750点(二段)以上でしたので、激指15の二段以上の棋力で間違いないでしょう。一方、1850点(二段+)を超えていた期間は72局目終了から73局目終了直前まで。
したがって、「東大将棋2Lite ①道場バトル」の最強レベルである「レベル6」は、激指15の二段相当とするのが妥当だと思います。
次にデフォルトでは最強になる「レベル4」が激指15の何段に相当するのか、激指15のレーティング戦で対戦させてみました。
2級(1400点)スタート

最高レート 1809点(二段 70局目で到達)
最終レート 1759点(二段)
対二段+ 0勝1敗0分(勝率 0.000)
対二段 10勝19敗0分(勝率 0.345)
対初段+ 29勝13敗0分(勝率 0.690)
対初段 11勝5敗0分(勝率 0.688)
対1級 10勝0敗0分(勝率 1.000)
対2級 2勝0敗0分(勝率 1.000)
1750点(二段)以上に滞在していたのが100局中37局なので、こちらも激指15の二段相当とするのが妥当と思われます。
■最高レート
レベル4 → 1809点
レベル6 → 1860点
■対局終了後のレーティング点数平均
レベル4 → 1700.53点
レベル6 → 1699.21点
■二段(1750点)以上の滞在局数
レベル4 → 37局
レベル6 → 46局
以上から、レベル6の方が微弱に強いのかもしれませんが、人間が体感できるような差ではない気もします。
使用時間も私のパソコン(i7-7700)では変わらない気がしました。
ところで、以前に「東大将棋3Lite①大会バトル」の棋力を検証した折は、その棋力を激指15の初段+相当と結論付けました。同じシリーズで後発の方が弱くなってるというのも少し変で、そちらの方はもう一度検証してみたいと思います。
気付いたこと
○盤面編集機能が無く、駒落ちや途中対局は不可
○「待った」機能はあるが、王手放置は即負け
○結構な確率でコンピュータ先手時の初手は▲48銀
○東大将棋のホームページにある修正プログラムはWindows10では展開出来なかった
○手詰まり時のコンピュータは同じ駒の上下・反復運動をやらないので千日手にはなりにくい
道場破りについて
甘口道場の持ち時間は5分で、切れたら秒読み30秒と1分の考慮時間5回。
初段認定は上の持ち時間で、最強レベルに3連勝が条件。
どこが「甘口」やねん・・。その条件で初手合いから3連勝を出来る人は、全国のどこの町道場に行っても三段で通用しそう。
もっとも、東大将棋2は定跡と認識してない局面になると指し手は同じになるようなので、何十、何百局と指せば、攻略手順を見つけることも可能である気もします。
それにしても、四段で始めてみたら手合い割りが二枚落ち上手になっていてびっくりしました。
東大将棋2の棋譜
▲激指15の二段+
△東大将棋2のレベル6
将棋盤
0手
対応機種 | Windows98ほか |
---|---|
発売元 | 毎日コミュニケーションズ |
発売日 | 2000年7月28日 |
最高棋力 | 激指15の二段【早指し】 |
特記事項 | ・読み上げは碓井涼子二段(当時) ・東大将棋2の付属機能が分売された廉価版 |
※最高棋力は激指15レート戦100局からの判断
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